「介護職は人手不足と言われているが、40代未経験でも転職できるのだろうか」
「介護職への転職を考えているものの、どんな仕事をするのかわからず不安」
40代未経験で介護職への転職を検討している方のなかには、このような悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、40代未経験でも介護職に転職することは可能です。ただし、転職後に後悔しないためには、介護職の現状や転職のポイントをしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
本記事では、40代未経験でも介護職に転職できる理由や介護職の現状、転職を成功させる秘訣を解説します。介護職への転職を検討している方、介護職に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
40代未経験からの転職に介護職がおすすめの理由
冒頭でもお伝えしたとおり、40代未経験からでも介護職への転職は可能です。40代未経験でも介護職に転職しやすい理由には、主に次のような点が挙げられます。
- 年齢不問・未経験可の求人が多い
- 教育体制が整えられている
それぞれの理由について、以下で詳しく見ていきましょう。
年齢不問・未経験可の求人が多い
日本は、少子高齢化で高齢者が増えており、介護士の数が足りていません。そのため、介護職では常に介護士の募集が行われています。
介護に関する資格や経験があるに越したことはありませんが、このような人材不足により、未経験の方でも歓迎されやすい傾向にあるのです。
また、50代や60代の方も現場で多く活躍しており、他業種に比べて年齢の制限を受けにくいのも特徴といえるでしょう。
教育体制が整えられている
教育体制が整っているのも、40代未経験でも介護職に転職しやすい理由の一つです。
未経験者を積極的に採用している職場は、新人研修などの教育体制が整っている傾向にあります。そのため、介護の知識や経験がない方でも、安心して仕事に従事できるでしょう。
また、職場によっては従業員の資格取得を支援している場合もあります。金銭面やシフトの面でサポートしてもらえるため、「介護福祉士実務者研修」や「介護福祉士」など、キャリアアップやスキルアップに役立つ資格を取得しやすくなります。
こちらの記事では、介護職への転職にオススメの転職サイトを紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
▼【2024年8月最新】介護職向けの転職サイト10選を特徴別に徹底比較!選び方も解説
介護職の仕事について
介護職への転職を考えているものの、そもそもどのような仕事なのかわからない方もいるのではないでしょうか。ここでは、介護職の仕事について、以下の項目を解説します。
- 仕事内容
- 施設の種類
- 勤務形態
- 年齢層
- 給与
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
介護職の主な仕事内容
介護職の主な仕事内容は、利用者さんの身体に直接触れる「身体介護」と、身体に直接触れない「生活援助」の2種類です。具体的な仕事を以下にまとめました。
- 身体介護:食事・排泄・更衣・入浴・移動など
- 生活援助:洗濯・買い物・食事の用意・掃除など
ただし、これらの仕事内容は、働く施設の種類や規模などによって異なるため、参考程度にしてください。
介護施設の種類
介護施設の種類は、大きくわけて「入所施設」「通所施設」「訪問介護」の3種類です。それぞれの施設の特徴を以下にまとめました。
施設の種類 | 特徴 | 主な職場 |
入所施設 | 24時間体制で身体介護や生活支援を行う | ・特別養護老人ホーム・老人介護保健施設・有料老人ホーム |
通所施設 | 日帰りで利用者さんの身体介護や生活支援を行う | ・デイサービスセンター・デイケアセンター |
訪問介護 | 利用者さんの自宅で身体介護や日常生活の支援をする | ・利用者さんの自宅 |
施設の種類によって職場や仕事内容などが異なるため、希望する施設についてよく調べておくと、転職後も大きなギャップなく働けるでしょう。
介護職の勤務形態
介護職の勤務形態は、施設や職場によってさまざまです。
たとえば、入所施設は24時間体制で利用者さんを支援するため、基本的に夜勤があります。一方、通所施設や訪問介護の場合は日勤が多く、土日祝を休みとしている場合が多いでしょう。
ただし、これらの勤務形態はあくまで一例です。パートタイムや派遣社員の場合、職場によっては柔軟に勤務形態を調整してもらえることも多いため、相談してみるとよいでしょう。
介護職の年齢層
介護労働安定センターの調査によると、介護職に従事している人の年齢層は、全体的に50歳代が最も多く、次いで40歳代となっています。
60歳以上で活躍している人も多いため、40歳から介護職に転職したとしても長く働き続けられるでしょう。
介護職の給与
介護労働安定センターの同調査によると、介護職全体の平均月給は241,296円です。
また、年齢層別に見ると、平均月給は40~44歳で244,499円、45~49歳で248,187円となっています。
職種にもよりますが、平均月給は40歳後半から50歳前半がピークで、50歳後半からは年齢とともに平均月給が下がる傾向にあるため、40代の今が介護職への転職のチャンスといえます。
40代未経験で介護職に転職する際の注意点
40代未経験でも介護職への転職は可能ですが、注意点についても知っておく必要があります。
40代未経験で介護職に転職する場合、以下の点に注意しましょう。
- 仕事量に給与が見合わない
- 身体的な負担が大きい
- 人間関係でストレスを抱える
それぞれの注意点について、以下で詳しく解説します。
仕事量に給与が見合わない
介護職の40代の平均月給は、40~44歳で244,499円、45~49歳で248,187円と低くはありませんが、特別高いともいえません。
一方、介護職では、身体介護など利用者さんの命に関わる仕事内容もあるため、肉体的にも精神的にも大変な仕事です。そのため、人によっては仕事量に対して給与が見合わないと感じる場合があるでしょう。
身体的な負担が大きい
介護職は、入浴や排泄、移動の介助など、職場によっては肉体労働が多くなる可能性があります。また、入所施設の場合は夜勤や早出もあるため、体力に自信がない方は「きつい」「つらい」と感じるかもしれません。
体力に不安がある場合は、肉体労働が少ない職種を選んだり、勤務形態が柔軟な職場を選んだりするとよいでしょう。
人間関係でストレスを抱える
職場の人間関係が合わず、ストレスを抱える可能性があるのも、注意点の一つといえます。介護職は利用者さんと接する機会が多いため、コミュニケーションがうまくいかないとストレスを感じる可能性がああるでしょう。
また、介護職は20~30代でも実務経験があれば役職を得られるため、40代で転職した場合に上司が年下になるケースもあります。同僚が年下ばかりになる可能性もあり、世代間のギャップや考え方などから関わるのが難しいと感じる場合もあるでしょう。
40代未経験からの介護職への転職を成功させるポイント
40代未経験で介護職への転職を成功させるためのポイントは、次のとおりです。
- 仕事内容や職場環境をしっかり調べる
- 多くの求人に申し込む
- 自己分析して強みをアピールする
- 転職に有利な資格を取得する
- 転職後のキャリアプランを立てる
それぞれのポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。
また、こちらの記事では、介護職への転職で後悔する原因や後悔しないためのコツを解説しています。あわせてご覧ください。
▼介護転職で後悔する原因は?成功させる5つのコツ・希望別の転職先の選び方も解説
仕事内容や職場環境をしっかり調べる
まずは、転職前の情報収集が大切です。仕事内容や職場環境をしっかり調べて転職先を選べば、転職後に「思ったのと違う……」と後悔することが減ります。
職場を選ぶ際は、主に以下のような点を確認しておくとよいでしょう。
- 勤務形態
- 資格取得がしやすい環境か
- 人員配置にゆとりはあるか
- 子育て支援は充実しているか
- 未経験でも働きやすい職場環境か
また、可能であれば実際に希望する施設を見学するのもオススメです。利用者さんとの関係性や働くスタッフの雰囲気など、実際に働いたときのイメージが付きやすくなるでしょう。
多くの求人に申し込む
多くの求人に申し込むのも、介護職への転職を成功させるには大切なポイントの一つです。
介護職は人手不足といえ、力仕事が多く、体力に自信がある人が重宝される傾向にあります。40代未経験で介護職に転職する場合、20~30代に転職希望者が多ければ、採用が見送りになる可能性もあるでしょう。
そのため、40代で介護職に転職する場合は、なるべく多くの求人に申し込み、採用の確率を上げることが転職成功への近道になります。
また、一つの求人のみに応募すると、他の施設の雰囲気や採用条件が比較できず、少し不利な条件であっても気づかない可能性があります。しかし、多くの求人に申し込むことでそれぞれの条件を比較でき、働きやすい職場が見つかりやすくなるでしょう。
自己分析して強みをアピールする
先ほどもお伝えしたように、40代未経験での介護職への転職は、20~30代に比べて難しい傾向があります。そこで大切なのが、自分の強みを分析してアピールすることです。
「自分に強みなんてない……」と思う方もいるかもしれませんが、40代ならではの強みは多くあります。
たとえば、仕事や家事、育児を頑張ってきた社会経験・人生経験の豊富さは、若い世代にはない強みです。この強みは、利用者さんとのコミュニケーションや、仕事をするうえでの落ち着き、臨機応変な対応などに活かせます。
自分の強みを実体験を交えて採用者にアピールすることで、より現場に出たときの活躍をイメージしてもらいやすくなるため、採用の確率アップが期待できるでしょう。
転職に有利な資格を取得する
介護職への転職に有利な資格を取得するのも、転職を成功させるポイントの一つです。
未経験者を歓迎している求人であっても、資格を持っていることで採用の確率がアップしたり、よりよい条件で採用されたりする可能性があるでしょう。
介護職への転職に有利となる主な資格は、次のとおりです。
- 介護職員初任者研修
- 介護事務管理士
- 認知症介助士
- レクリエーション介護士
特に、介護職員初任者研修は、介護に関する基礎的な知識や技術を身につけられる資格のため、さまざまな職場で役立つでしょう。
転職後のキャリアプランを立てる
転職したあとのキャリアプランをあらかじめ立てておくことも大切です。
介護職は60代以上も多く活躍しているため、40代で転職したとしても10年、20年と長く働く可能性があります。将来的にどのようなキャリアを歩みたいのか、そのために必要な資格はあるかなど、将来を見据えておくことで、転職後も充実した働き方ができるでしょう。
介護職に転職してからのキャリアとしては、以下のような道がオススメです。
- ケアマネージャー
- 有料老人ホームの施設職員
- 社会福祉士
- 訪問介護スペシャリスト
- 施設の管理者
これらにキャリアアップするには、実務経験が必要になる場合が多いため、まずは現場で実務経験を積み、資格を取得しながらキャリアアップを目指しましょう。
まとめ
本記事では、40代未経験でも介護職に転職できる理由や介護職の現状、転職を成功させる秘訣について解説しました。
少子高齢化による介護職員の人手不足や、40~50代の人が介護職の現場で多く活躍しているなどの理由から、40代未経験でも介護職に転職できる可能性は十分にあります。
転職活動の際は、多くの求人に申し込み、40代ならではの強みをアピールすることで、採用の確率がアップしやすくなるでしょう。
本記事で紹介した内容が、介護職への転職を検討されている皆さまにとって参考になりましたら幸いです。
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