【イベントレポート】アートで心が解きほぐされる1時間。「正解のない旅」を楽しむアート鑑賞プログラム(8/25開催)

皆さんこんにちは!
養護白寿荘の伊藤です。


8月25日(火)午前11時、心温まるアート鑑賞プログラム(アートリップ)がスタートしました。

今回は、リピーターの方から初めてご参加いただいた方まで、幅広い世代の皆様と一緒に過ごした「夏の明かり」をテーマにした対話型鑑賞の様子をレポートします!

1. 始まりは「小諸の稲穂」と「名城の青空」から

本格的な絵画鑑賞に入る前に、まずは場を和ませるウォーミングアップ!
アートコンダクターの方が先日訪れたという、長野県小諸(こもろ)市の写真が紹介されました。

一面に広がる黄金色の田んぼ。
実をいっぱいに実らせて頭(こうべ)を垂れる稲穂の姿に、「今年はきっと美味しいお米が食べられますね」と、参加者の皆さんの表情もふっと緩みます。

小諸城跡(懐古園)の立派な石垣や、全国的にも珍しい「穴城(あなじろ)」の解説、そして「城跡に広がる青空の美しさ」に耳を傾けながら、会場全体の空気が少しずつ温まっていきました。

2. 「正解はありません」アートリップ(アート鑑賞)の楽しみ方

本日のメインプログラムは「アートリップ」。
美術の知識を覚えるのではなく、みんなで対話しながら絵画の世界を自由に「旅」するプログラムです。

アートコンダクターの方が提示したのは、団体のロゴマークにも使われているルビンの壺のような不思議な図形。

さらに、「雨」をテーマにした3枚の作品(洋画・日本画)を見比べながら、「傘を差しているから雨」「道が濡れている」「線が斜めに入っているから強い雨」と、それぞれの視点で気付きをシェアし合いました。

3. 1枚目の旅:歌川広重『名所江戸百景 両国花火』

じっくりと1分間鑑賞したあと、対話がスタートします。

  • 「これ、何が描かれていると思いますか?」
  • 「花火!隅田川の花火大会じゃないかしら」
  • 「手前と奥で船の種類が違いますね。手前はお侍さん(武家)の館船で、奥は一般の人の乗り合い船かな?」

参加者の鋭い観察力に、会場からは感嘆の声が上がります。

「船に乗って花火を見たことありますか?」という質問には、江の島で船上から花火を鑑賞した思い出を語ってくださる方も。 「真上から火の粉が降ってくるみたいで、迫力がすごいのよ!」というリアルな体験談に、まるでその場にいるかのような臨場感に包まれました!

広重の描いた江戸時代の花火は、現代の華やかな大輪とは違い、シンプルで繊細な火花。元々は感染症(疫病)の退散や慰霊の祈りを込めて打ち上げられたという歴史的背景にも思いを馳せ、静かな感動が広がりました!

4. 2枚目の旅:ジョン・シンガー・サージェント『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』

続いて登場したのは、幻想的な夕暮れのお庭を描いた大きな油絵。

「お花がいっぱい!花祭りみたい」
「提灯(ちょうちん)を持っているから、夜かしら?」
「子どもたちの髪がくるくるしていて、外国の子みたいですね」
「外国のお庭に、どうして日本の提灯があるんだろう?」という疑問から、話は当時のヨーロッパで大流行した「ジャポニズム(日本趣味)」へ。日本の提灯を庭に飾ることが、当時の最先端のおしゃれだったという歴史に、皆さん興味津々でした。

この絵の作者は、夕暮れ時のほんの数十分間の「奇跡のような光(マジックアワー)」を捉えるため、1年以上かけて毎日少しずつ筆を進めたそうです。
「静かで、どこか懐かしくて、お祈りをしているみたい」

薄暗くなっていく庭園の中で灯るほのかな提灯の明かり。
参加者の皆さんはそれぞれの人生の思い出や、静寂な時間の美しさを重ね合わせながら、うっとりと絵の世界に見入っていました。

5. 「鑑賞後」の輝く笑顔と、広がる温かい輪

1時間のプログラムが終わる頃には、最初は少し緊張気味だった方の表情も、すっかり柔らかく生き生きとした笑顔に変わっていました。

プログラム終了後には、参加者同士やスタッフとの間で自然と温かい対話が生まれました。
映画やアートが大好きな参加者の方が熱っぽく思い出を語ってくださいました。

アートをきっかけにして人と人が繋がり、お互いの人生や想いを尊重し合える時間。
これこそが、アート鑑賞プログラムの持つ本当の魅力なのかもしれません。

正解のないアートの世界だからこそ、あなたの感じたことすべてが特別な答えになります。

次回のアートリップでも、皆さまと一緒に心の旅ができることを楽しみにしています!

この記事を書いた人

かいごマガジン編集部

かいごマガジン編集部です。
介護の専門的な情報をどこよりもわかりやすく紹介していきます。
また、世の中の介護がどのように変化していっているのか最新の情報も随時発信していきますのでお楽しみに!