介護職は転職回数が多いと不利?採用されるコツも解説

介護職は転職回数が多いと不利?採用されるコツも解説

「介護職へ転職したいが、転職回数が多いと不利になるのか気になる」

「転職回数が多くても採用されるコツを知りたい」

介護職への転職を検討中の方のなかには、上記のような悩みがある方もいます。

介護職の選考では、転職回数の多さが原因で不利になるケースは少ないです。ただし、短期間で転職を繰り返している場合、採用をためらわれる恐れがあります。

本記事では、介護職への転職における転職回数の影響を解説します。転職回数が多くても採用されるコツや志望動機の例文も紹介するため、ぜひご覧ください。

介護職で不利になる転職回数は?

悩む男性ヘルパー

転職回数は、一般的に20代で3回以上、30代で4回以上だと多いと判断される傾向があります。しかし、介護業界は慢性的な人手不足のため、転職回数の多さで不利にならないケースが多いです。

ただし、2年以内の短期間で転職を繰り返している場合は「入職しても長続きしないのではないか」といった印象を与え、転職活動時に不利になる恐れがあります。

介護業界の離職率が高い原因

介護業界では、ほかの業界に転職するケースだけでなく、介護業界内で転職を繰り返すケースも少なくありません。介護業界の離職率が高い原因は、以下の3つです。

  • 人間関係の悩みが多い
  • 体力的にきつい
  • 給与が安い

それぞれ解説します。

人間関係の悩みが多い

介護の現場では、幅広い年齢層の職員が働いています。また、利用者様だけでなくその家族と関わる機会も多く、人間関係で悩んで退職するケースがあります。

実際に、2024年に公益財団法人介護労働安定センターが公表したデータによると、前職の介護関係の仕事をやめた理由でもっとも多かったのは「職場の人間関係に問題があったため」でした。

具体的には、以下の状況が挙げられています。

  • 上司の思いやりのない言動、きつい指導、パワハラなどがあった
  • 上司の管理能力が低い、業務指示が不明確、リーダーシップがなく信頼できなかった
  • 同僚の言動(きつい言い方・悪口・嫌み・嫌がらせなど)でストレスがあった
  • ケアの方法など仕事上の課題に関する上司や同僚との意思疎通・意見交換がうまくいかなかった

このように、上司に対する不満が募った末に退職を選んでいる職員が少なくありません。

参照:公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書」

体力的にきつい

介護業界は肉体労働の割合が高く、特に入浴時や排泄時などの介助はかなりのハードワークです。そのため、介護職を続けていくのは体力的にきついと感じ、退職する職員も存在します。

また、夜勤や人手不足による長時間労働の常態化などから体調を崩し、健康上の理由で離職するケースもあります。

給与が安い

介護業界は、介護報酬が公定価格であり、要介護度に応じてサービス内容と介護報酬が決まっているため、賃金が上がりにくい構造になっています。働きに給与が見合っていないと感じた場合、他職種への転職を理由に離職するケースもあります。

収入面が要因で退職するのは、特に男性が多い傾向です。結婚をはじめとする家族が増える場面で不安を感じ、他業界や給与の高い職場への転職を検討することも少なくありません。

転職回数が多くても介護職で採用されるコツ

指でOKマークを作る笑顔の女性ヘルパー

転職回数の多さから介護職への転職に不安のある方は、以下のコツを押さえて転職活動を進めましょう。

  • 転職理由をポジティブに伝える
  • 応募先で活かせる強みをアピールする
  • 長期間働けることをアピールする

転職理由をポジティブに伝える

転職回数が多い場合、各職場での転職理由に関して説明できるように準備しておく必要があります。

たとえば「やりたい仕事ができなかった」といったマイナスな表現で説明するよりも「スキルを高めるために転職した」というように、ポジティブな表現で伝えると効果的です。

応募先で活かせる強みをアピールする

介護職は、対人関係や臨機応変に対応できる対応力などが重視されるため、転職回数が多かったとしても応募先で活かせる強みをアピールすることが大切です。

たとえば、介護職リーダー候補の求人に応募する場合は、これまでの職場で「リーダーシップを発揮した経験」や「業務改善の経験」などを伝えることで、採用につながる可能性が高まります。

長期間働けることをアピールする

職場によっては人手不足が慢性化しているため、採用側は長期間働ける人材を求めています。転職回数が多い場合「すぐに退職してしまうのでは」といった不安を持たれやすいため、長く働きたいという意思を明確に伝えることが大切です。

具体的には、転職先でどのようなキャリアアップを考えているかを説明できれば、長期で勤務できるイメージを与えやすくなります。たとえば施設系であれば、フロアリーダーをはじめとする管理職や、ケアマネジャーなどを目指していることを伝えると、キャリアビジョンが明確に伝わります。

介護業界での転職で後悔しないためのポイント

笑顔で並んで立つ女性ヘルパーと男性ヘルパー

介護業界での転職において、後悔する原因でありがちなのは以下の6つです。

  • 転職先の仕事内容を理解しないまま選んだ
  • 待遇面だけで選んだ
  • キャリアプランを計画せずに選んだ
  • 漠然と介護業界での転職を決めた
  • 希望条件の優先順位を決めずに選んだ
  • 複数の職場を比較せずに選んだ

たとえばキャリアプランを計画せずに転職した場合、将来的にケアマネジャーにキャリアアップしたかったとしても「教育体制が不十分」「ケアマネジャーの増員が難しい」といった職場であれば、また新たに転職する必要があります。

この場合、最初からケアマネジャーの在籍人数が多い職場へ転職していれば「ケアマネジャーになるための支援や教育が受けやすい」「これまでの勤務先でケアマネジャーとして働ける」といった可能性もあります。

このように、介護業界での転職で後悔しがちな原因を把握したうえで、自身の転職活動に活かすことが大切です。

以下の記事では、介護業界での転職で後悔する原因とその対策について解説しています。「現在の職場より給与を上げたい」「離職率が低い職場で働きたい」といった希望別におすすめの職場も紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください、

介護転職で後悔する原因は?成功させる5つのコツ・希望別の転職先の選び方も解説

介護職の転職回数についてよくある3つの質問

よくある質問

介護職の転職回数についてよくある質問は、以下の3つです。

  • 質問1.転職回数が多い場合、志望動機はどのように書けばよいですか?
  • 質問2.転職回数が多くても採用されるのはどのような人ですか?
  • 質問3.他職種から介護職に戻ることはできますか?

質問1.転職回数が多い場合、志望動機はどのように書けばよいですか?

転職回数が多い場合は、複数の職場を経験したからこその強みを志望動機に含めましょう。介護業界内での転職回数が多い場合の例文は、以下のとおりです。

志望の動機
これまで複数の施設で介護業務を経験するなかで、さまざまな環境やご利用者様のニーズに柔軟に対応する力を培ってきました。特に行事の企画・運営では、ご利用者様に心身ともに楽しんでいただけるよう工夫を重ねてまいりました。
貴施設の「〇〇」の理念に深く共感し、幅広い視点と実践力を活かしてよりよいケアの提供に貢献したいと考えております。多様な職場で得た経験・スキルをもとに、ご利用者様に安心と笑顔をお届けする介護を実践してまいります。

また、異業種での転職回数が多い場合も、各業種で培ったスキルをアピールするのが効果的です。例文は以下のとおりです。

志望の動機
これまで接客業や製造業など異なる業界で働いてきました。接客業では対人対応力や気配り、製造業では体力と協調性を身につけました。介護職は未経験ですが、これまでの経験は人と向き合う仕事に通じると感じています。
今後は資格取得にも挑戦しながら長く働き、貴施設に貢献したいと考えております。

以下の記事では、介護転職の履歴書の書き方を解説しています。志望動機・自己PRの例文も紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

介護転職の履歴書の書き方を解説!志望動機・自己PRの例文も紹介

質問2.転職回数が多くても採用されるのはどのような人ですか?

転職回数が多くても採用されるのは、以下のような特徴がある方です。

  • あいさつや礼儀などの接遇の基本ができている方
  • コミュニケーション力が高い方
  • マネジメント能力がある方
  • 向上心がある方

介護の現場は、多くの職種と連携して利用者様をサポートするため、円滑なコミュニケーションや丁寧な接遇が求められます。また、介護業界はリーダーや管理者などのマネジメント人材が不足しているため、チームをまとめる能力がある方も高く評価されます。

さらに、キャリアアップを目指す向上心のある方は多くの職場を経験していても、その積極性や成長意欲を評価されやすく、将来的な活躍への期待から採用される可能性が高いです。

質問3.他職種から介護職に戻ることはできますか?

他職種からの転職であっても、介護職としての経験があれば未経験と比べると採用されやすい傾向があります。

ただし、介護職に戻りたい理由を明確にしたりキャリアプランを見直したりして、介護職に戻ったことを後悔しないようにすることも大切です。

まとめ

車椅子に座る男性と介助する女性ヘルパー

介護業界では、転職回数の多さによって不利にならないケースが多いものの、2年以内の短期間で離職を繰り返している場合は採用をためらわれる恐れがあります。

本記事で紹介した転職回数が多くても採用されるコツを参考に、介護業界への転職を成功させましょう。

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この記事を書いた人

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