「横浜市の特別養護老人ホームの自己負担費用はどれくらい?」
「費用の減免は受けられるの?」
特別養護老人ホームへの入所を希望している方で、費用面が気になる方は少なくありません。自己負担額の目安などがわかると、生活費などをイメージしやすくなるでしょう。
当記事では、横浜市の特別養護老人ホームの自己負担費用の目安や減免制度などを紹介します。
記事目次
特別養護老人ホームとは?
特別養護老人ホームは、病気や障害によって日常生活に支障をきたし介護が必要になった方が入所する施設です。
特別養護老人ホームには終日介護職員が常駐しているため、時間帯に関係なく手厚い介護サービスを受けられます。一度入所したら、亡くなるまで生活する方も多いのが特徴です。
他の介護施設よりも比較的安く利用できることもあり、特別養護老人ホームのニーズは高まっています。
入所の申込みができる方
特別養護老人ホームに入所申し込みできるのは以下の方々です。
- 要介護3以上の認定を受けている65歳以上の方
- 特定疾病により要介護3以上の認定を受けた40〜64歳の方
- 要介護1〜2であっても特例が認められた方
特別養護老人ホームは2015年の介護保険制度改正により、入所申し込みできる方は「要介護3以上」と設定されました。基本的には「65歳以上で要介護3以上」の方の入所希望が多い傾向にあります。
特別養護老人ホームへの入所が認められる特定疾病と特例は、以下の通りです。
特定疾病
- がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
- 関節リウマチ※
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
【パーキンソン病関連疾患】 - 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症※
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
特例
- 認知症であることにより、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎 通の困難さが頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態であるか否か
- 知的障害・精神障害等を伴い、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さ等が頻繁に見られ、在宅生活が困難な状態であるか否か
- 家族等による深刻な虐待が疑われる等により、心身の安全・安心の確保が困 難な状態であるか否か
- 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱である等により、家族等による支 援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が十分に認められないことにより、在宅生活が困難な状態であるか否か
上記の特定疾病や特例に該当している方も、入所申し込みが可能です。特定疾病や特例により自宅での生活に悩んでいる方は、申し込みを検討しましょう。
横浜市の特別養護老人ホームの自己負担費用の目安
横浜市の特別養護老人ホームの自己負担費用の目安は、以下をご覧ください。
【介護サービス費】
介護サービス費は、以下の表となります。選択する居室タイプや介護度によって金額が変動します。
1ヵ月あたり | 多床室 | 従来型個室リビング併設なしの個室 | ユニット型個室リビング併設の8畳以上の個室 |
要介護1 | 17,592円 | 17,592円 | 20,100円 |
要介護2 | 19,747円 | 19,747円 | 22,223円 |
要介護3 | 21,934円 | 21,934円 | 24,506円 |
要介護4 | 24,088円 | 24,088円 | 26,629円 |
要介護5 | 26,179円 | 26,179円 | 28,751円 |
【部屋代】
- 多床室:25,200円/1ヵ月
- 従来型個室リビング併設なしの個室:34,500円/1ヵ月
- ユニット型個室リビング併設の8畳以上の個室:59,100円/1ヵ月
※部屋代は国が示す標準的な金額です。具体的な料金は各施設サービスによって異なります。
【食費】
41,400円/1ヵ月
※食費は国が示す標準的な金額です。具体的な料金は各施設サービスによって異なります。
【その他】
上記のほかに、日常生活費や理美容代、各施設が提供するサービスの利用費などを加えた費用が、横浜市の特別養護老人ホームの自己負担費用の目安です。
参照:特別養護老人ホームを利用するときの自己負担の目安 | 横浜市役所
特別養護老人ホームの費用減免制度とは?
特別養護老人ホームには、所得に応じた負担限度額が設けられている費用減免制度が存在します。特別養護老人ホームで、費用減免制度の対象になる制度と項目は以下の通りです。
- 特定入所者介護サービス:居住費・食費
- 高額介護サービス費:介護サービス費の自己負担額
- 高額医療・高額介護合算療養費制度:医療保険と介護保険の自己負担額
- 社会福祉法人などの利用者負担減免制度:介護サービスの自己負担額、居住費および食費
- 医療費控除:介護サービスの自己負担額・居住費・食費
特別養護老人ホームの一日当たりの部屋代、負担限度額は以下の通りです。
段階 | 対象者 | 負担限度額部屋代 | 負担限度額食費 |
第1段階 | ・市民税非課税世帯で老齢福祉年金を受給されている方・生活保護等を受給されている方 | ・多床室:0円 ・従来型個室(特養):320円 ・従来型個室(老健・療養等):490円 ・ユニット型準個室:490円 ・ユニット型個室:820円 | 300円 |
第2段階 | ・市民税非課税世帯で本人の預貯金等の合計額が基準額以下の方で、合計所得額と公的年金等収入額が年間80万円以下の方 | ・多床室:370円 ・従来型個室(特養):420円 ・従来型個室(老健・療養等):490円 ・ユニット型準個室:490円 ・ユニット型個室:820円 | 390円 |
第3段階 | ・市民税非課税世帯で本人の預貯金等の合計額が基準額以下の方で、第2段階以外の方 | ・多床室:370円 ・従来型個室(特養):820円 ・従来型個室(老健・療養等):1,310円 ・ユニット型準個室:1,310円 ・ユニット型個室:1,310円 | 650円 |
第4段階 | 上記以外の方 | ・第4段階の方には負担限度額が設けられていません ・食費や部屋代は施設との契約によって決まる | 負担限度額なし施設との契約で決まる |
特別養護老人ホームの費用に関するよくある3つの質問
特別養護老人ホームの費用に関するよくある質問は、次の3つです。
- 特別養護老人ホームの入所に初期費用はかかりますか?
- 自己負担費用の他に費用は加算されますか?
- 負担額の減免申請はどのように行えばよいですか?
疑問を解消できるように、それぞれ詳しく紹介します。
質問1.特別養護老人ホームの入所に初期費用はかかりますか?
特別養護老人ホームの入所に初期費用はかかりません。特別養護老人ホームでの費用は利用料のみで、月ごとの支払いです。
質問2.自己負担費用の他に費用は加算されますか?
自己負担費用の他に、サービス利用に応じて費用が加算されます。身体機能を維持するための機能訓練や、夜間も安全に生活を送るための夜間職員配置などが加算対象です。
質問3.負担額の減免申請はどのように行えばよいですか?
負担額の減免申請は、居住地の市町村窓口にて行います。申請には書類などの準備が必要です。必要書類は下記をご覧ください。
- 介護保険負担限度額認定申請書
- 同意書
- 介護保険被保険者証のコピー
- 有価証券や投資信託などのその他資産のコピー
- 被保険者本人および配偶者名義の全通帳のコピー
まとめ
ここまで、横浜市の特別養護老人ホームの自己負担費用の目安や減免制度などを紹介しました。
特別養護老人ホームは初期費用などがかからず、所得に応じて費用が減免されるため他の施設より安く利用できます。「できるだけ安い費用で施設に入所したい」とお考えの方は、当記事を参考に特別養護老人ホームへの入所を検討しましょう。