特別養護老人ホームの法律上の定義とは?老人福祉法と介護保険法もあわせて解説!

特別養護老人ホームの法律上の定義とは?老人福祉法と介護保険法もあわせて解説!

「特別養護老人ホームの定義とは?」

「介護施設との違いがわからない」

介護施設への入所を考えている方で、上記のような疑問を持つ方は少なくありません。また高齢者福祉に関するさまざまな法律がありますが、各法律にはどのような違いがあるのでしょうか。

当記事では特別養護老人ホームの定義や老人福祉法と介護保険法などを詳しく紹介します。将来的に特別養護老人ホームをはじめ、介護施設への入所を検討している方は参考にしてみてください。

特別養護老人ホームの定義とは?

特別養護老人ホームの定義とは?

特別養護老人ホームは、65歳以上で要介護3以上と認定を受けた方が入所する施設です。

上記に該当しない方でも「40〜64歳で特定疾病が認められた要介護3以上の方」「特例で入居が認められた要介護1〜2の方」も入所できます。

特別養護老人ホームは、入所一時金がかからないなど、他の介護施設よりも安く利用できるのが特徴です。そのため特別養護老人ホームへの入所を希望している方は多いですが、入所希望者と施設数が釣り合っていないのが現状です。

特別養護老人ホームは緊急性の高い高齢者を先に入所させるなど、優先順位が定められており待機になる場合も少なくありません。なお、特別養護老人ホームを規定する老人福祉法には、次のように定義されています。

特別養護老人ホームは、第十一条第一項第二号の措置に係る者又は介護保険法の規定による地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る地域密着型介護サービス費若しくは介護福祉施設サービスに係る施設介護サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者を入所させ、養護することを目的とする施設とする。
引用:老人福祉法第20条の5

特別養護老人ホームの成り立ち

特別養護老人ホームの成り立ちは、1929年に制定された救護法までさかのぼります。

救護法の制定により、病気や貧困などの理由で生活できない方を保護する施設である「養護院」が建てられました。日本国憲法制定後には養護院が保護施設になり、1963年には老人福祉法が制定され老人ホームが生まれました。

その後養護老人ホームの類型として、特別養護老人ホームが誕生します。高齢化の進行に比例して要介護者や医療費が増加した結果、2000年に介護保険法が成立し、特別養護老人ホームは介護福祉施設の認可を受けました。

高齢者福祉を支える老人福祉法と介護保険法

高齢者福祉を支える老人福祉法と介護保険法

高齢者の福祉を規定する法律は主に「老人福祉法」と「介護保険法」があります。ここでは、老人福祉法と介護保険法について詳しく紹介します。

1.老人福祉法とは?

老人福祉法は1963年に制定され、高齢者福祉を担当する機関や施設に関して、ルールを定めた法律です。

老人福祉法の制定により、都道府県と市区町村に老人福祉計画の作成が義務付けられました。また、7つの老人福祉施設と6つの老人居宅生活支援事業に関しても規定しています。

老人福祉法に規定されている7つの施設と、6つの老人居宅生活支援事業は以下の通りです。

7つの施設

  • 特別養護老人ホーム
  • 養護老人ホーム
  • 軽費老人ホーム
  • 老人介護支援センター
  • 老人福祉センター
  • 老人デイサービスセンター
  • 老人短期入所施設

6つの老人居宅生活支援事業

  • 老人居宅介護等事業
  • 老人デイサービス事業
  • 老人短期入所事業
  • 小規模多機能型老人共同生活援助事業
  • 認知症対応型老人共同生活援助事業
  • 複合型サービス福祉事業

老人福祉法の制定により、特別養護老人ホームや養護老人ホームなどの施設が整備されました。しかし、上記の施設やサービスを利用するには所得制限があり、助けが必要な高齢者を公費で支援していた背景があります。

老人福祉法の理念は以下の通りです。

老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする。
引用:老人福祉法第一章第一条

2.介護保険法とは?

介護保険法とは、1997年に成立された介護保険制度に関してルールを決めた法律です。

介護保険法施行の背景には、日本の少子高齢化があげられます。日本の高齢化は諸外国と比較しても異常な早さで進み、約24年で高齢化率が14%になりました。

こうした急速な高齢化に加え、日本の経済が落ち込んだ影響により税収も少なくなったことで、新たな改革として介護保険法が成立します。さらに2000年4月からは介護保険制度がスタートしました。

介護保険制度は3年ごとに改正されるのが特徴です。2020年の改正では社会福祉連携推進法人の設立や、地域包括支援センターの役割強化などが追加されました。

老人福祉法と介護保険法は、全ての高齢者が必要なサービスを受けられるようにお互いが補完しあっているような関係性です。

参照:介護保険制度 改正

特別養護老人ホームの定義に関するよくある3つの質問

特別養護老人ホームの定義に関するよくある3つの質問

特別養護老人ホームの定義に関するよくある質問は次の3つです。

  • 特別養護老人ホームは誰でも入所できますか?
  • 特別養護老人ホームと介護老人保健施設はどのように違いますか?
  • 老人福祉法と介護保険法の違いは何ですか?

それぞれの質問に詳しく回答します。

質問1.特別養護老人ホームは誰でも入所できますか?

特別養護老人ホームは入所条件が決まっているため、誰でも入所できるわけではありません。特別養護老人ホームの入所条件は以下の通りです。

  • 65歳以上で要介護3以上と認定を受けた方
  • 40〜64歳で特定疾病が認められた要介護3以上の方
  • 特例で入居が認められた要介護1〜2の方

質問2.特別養護老人ホームと介護老人保健施設はどのように違いますか?

特別養護老人ホームと介護老人保健施設は、提供しているサービスや対象利用者が異なります。

特別養護老人ホームは、身体介護と生活援助の提供がメインです。レクリエーションなど、利用者が施設内の生活を楽しめる取り組みも行います。在宅復帰ではなく、人生の最期の場として選ぶ方も多い施設です。

一方の介護老人保健施設は、リハビリと医療ケアの提供がメインです。リハビリと医療ケアを提供しADLの向上を目指し、在宅復帰を目指している利用者が多くいます。

質問3.老人福祉法と介護保険法の違いは何ですか?

老人福祉法は高齢者が身体的、精神的な健康を維持して安定した生活が送れるようにするのが目的です。一方、介護保険法は社会全体で介護が必要な方を支援するために制定されました。

老人福祉法と介護保険法の役割は、ほとんど同じです。しかし「やむを得ない理由」で高齢者の生命に危険が生じる可能性が高い場合は、老人福祉法が適用されます。

まとめ

まとめ

ここまで、特別養護老人ホームの定義や老人福祉法と介護保険法を詳しく紹介しました。

老人福祉法と介護保険法は、相互関係にある法律で足りない部分を補いあっています。高齢者が必要な介護やサービスを受けて生活を送るためにも、重要な点を押さえておくとよいでしょう。

この記事を書いた人

かいごマガジン編集部

かいごマガジン編集部です。
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