「要支援2と判定されたけれど、具体的にどのようなサービスが利用できるのかわからない」
「サービスを利用した場合、どのくらい費用がかかるのか知りたい」
要支援2の方や家族を介護されている方のなかには、このような疑問を持つ方が多いです。
本記事では「要支援2のケアプラン例」と「利用できる介護予防サービス一覧」を中心に紹介します。サービスの費用まで解説しているため、今後の生活設計に役立ちます。
記事目次
要支援2のケアプラン例
要支援2のケアプランを以下のケース別にご紹介します。
- 1人暮らしのケース
- 家族と暮らしているケース
- 施設に入居しているケース
1人暮らしのケース
要支援2の方が1人で暮らしている場合のケアプラン例は、以下のとおりです。
利用しているサービス | 利用頻度 | 利用回数 | 自己負担額 / 月※1割負担の場合 |
介護予防通所リハビリテーション | 1 / 週 | 4回 / 月 | 4,661円 |
介護予防訪問看護 | 2 / 週 | 8回 / 月 | 3,600円 |
合計 8,261円 |
週に1度のペースで「介護予防通所リハビリテーション」を利用することで、身体機能の維持・回復が期待できます。さらに週に2回の「介護予防訪問看護」の利用により、自宅に居ながら体調の変化を観察してもらえます。そのため1人暮らしでも安心して暮らせます。
家族と暮らしているケース
要支援2の方が家族と暮らしている場合のケアプラン例は、以下のとおりです。
利用しているサービス | 利用頻度 | 利用回数 | 自己負担額 / 月※1割負担の場合 |
総合事業・通所型 (通所介護相当サービス) | 2 / 週 | 8回 / 月 | 3,521円 |
介護予防短期入所生活介護 | 2 / 週 | 8回 /※1泊2日を4回 | 5,856円 |
合計 9,377円 |
週に2回の「通所介護相当サービス」では、食事や機能訓練などが受けられます。ほかの利用者との交流もできるため、閉じこもり予防につながります。また週に1回1泊2日の「介護予防短期入所生活介護」を利用することで、被介護者と家族の双方のストレスが解消できるプランとなっています。
施設に入居しているケース
「健康型有料老人ホーム」や「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」などの施設に入居している場合、居宅介護予防サービスが受けられます。
要支援2の方が施設で暮らしている場合のケアプラン例は、以下のとおりです。
利用しているサービス | 利用頻度 | 利用回数 | 自己負担額 / 月※1割負担の場合 |
総合事業・訪問型 (介護予防訪問介護相当サービス) | 2 / 週 | 8回 / 月 | 2,448円 |
介護予防訪問看護 | 2 / 週 | 8回 / 月 | 3,600円 |
合計 6,048円 |
週に2回の「介護予防訪問介護相当サービス」の利用により「入浴の介助」や「掃除の支援」などが受けられます。また持病がある場合は「介護予防訪問看護」を利用することで、健康チェックだけでなく、療養上の世話も受けられます。
なお、自己負担の金額はあくまでも目安です。「お住まいの地域」や「利用する事業者」によって費用が異なるためご注意ください。
参考:介護事業所・生活関連情報検索「概算料金の試算」
参考:羽生市「介護予防日常生活支援総合事業」
そもそも要支援2とは?
要介護度は、要支援1・2と要介護1~5の7段階で判定されます。要介護5が最も介護が必要であり、介護がなければ生活を送ることが不可能な状態です。
要支援2は、要介護ではないものの「家事」や「交通機関の利用」「金銭管理」といった手段的日常生活を行う能力がわずかに低下し、部分的な支援が必要な状態です。
日常生活を送るのに一部分の支援が必要な一方で、適切なサポートを受ければ機能の維持・改善が見込めます。
要支援2の判定基準
そもそも要介護度は「その人の介護にどのくらいの手間を要するか」と「認知症加算」による1次判定と「介護認定審査会」による2次判定をもとに決定します。
1次判定
1次判定のもととなる介護にかかる手間は「要介護認定等基準時間」を指標にしており、以下の5分野から算出されます。
分野 | 具体例 |
直接生活介助 | 入浴・排せつ・食事などの介護 |
間接生活介助 | 洗濯・掃除などの家事援助など |
問題行動(BPSD)関連介助 | 徘徊に対する探索・不潔な行為に対する後始末など |
機能訓練関連行為 | 歩行訓練・日常生活訓練などの機能訓練 |
医療関連行為 | 輸液の管理・じょくそうの処置などの診療の補助など |
上記の介護にかかる時間を「1分間タイムスタディ・データ」をもとに推計します。
1分間タイムスタディ・データは、特別養護老人ホームや介護療養型医療施設などの施設の入居者3,500人に対して「どのような介護サービスがどのくらいの時間行われたか」を調査したデータです。
1分間タイムスタディ・データのなかから、対象者に「心身の状態が最も近い高齢者のデータ」を探し出し、そのデータから要介護認定等基準時間を推計します。
要支援2の場合、上記5分野の要介護認定基準時間が「32分以上50未満」とされています。
2次判定
2次判定は、1次判定で算出された要介護認定基準時間をもとに、保健医療福祉の学識経験者で構成されている「介護認定審査会」で実施します。
介護認定審査会では、対象者の「直近の心身状態」や「介護の状況」などをもとに「どのくらい介護を要するのか」を判定します。さらに、要介護認定等基準時間が32分以上50分未満の場合は、状態の維持・改善の可能性に関しても判定したのちに、要介護状態の区分が決定されます。
なお、要介護認定等基準時間は介護の必要性を量る「ものさし」です。実際に受けられる介護サービスの合計時間と連動しない点に注意しましょう。
出典:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」
要支援1との違い
要支援1は、要介護認定等基準時間が「25分以上32分未満」とされており、要支援2と比べると介護の必要度が低い状態です。
「家事」をはじめとした日常生活動作はほとんど自身で行えるものの、要介護状態になることを防ぐために少し支援が必要です。
要介護1との違い
要介護1は、要介護認定等基準時間が要支援2と同じ「32分以上50未満」です。しかし「現状の維持・改善の可能性が高い」と判断された場合は要支援2、そうでないと判断された場合は要介護1に判定されます。
日常生活はおおむね自立している一方で、排泄・入浴などの一部介助が必要な状態です。立ち上がりや歩行がやや不安定なケースもあるため、転倒によるけが・骨折を防ぐために、見守りや部分的な介護が必要になります。
要支援2で利用できる居宅介護予防サービスと費用一覧
要支援2の方が利用できる居宅介護予防サービスと費用は、以下のとおりです。
サービス名 | 費用 / 回・日 | |
訪問サービス | 介護予防訪問入浴 | 9,600円 |
介護予防訪問看護 | 4,500円 | |
介護予防訪問リハビリテーション | 3,200円 | |
介護予防居宅療養管理指導 | 3,650円 | |
通所サービス | 介護予防通所リハビリテーション | 46,610円 / 月 |
介護予防認知症対応型通所介護 | 9,660円 | |
宿泊サービス | 介護予防短期入所生活介護 | 7,320円 |
介護予防短期入所療養介護(老健) | 9,590円 | |
訪問・通所・宿泊サービス | 介護予防小規模多機能型居宅介護 | 92,230円 / 月 |
参考:介護事業所・生活関連情報検索「概算料金の試算」
サービスによっては、上記に加えて食費・居住費などの保険適用外の費用が発生します。
居宅サービスは、要介護度によって利用できるサービス量が「支給限度額」として決められています。要支援2の場合は「105,310円」であり、この金額内であれば原則1割負担でサービスを利用できます。
たとえば「介護予防訪問入浴」を利用する場合、ひと月に10回まで1割負担で利用できるため、自己負担額は「9,600円」となります。しかし12回利用した場合は、限度額を9890円オーバーします。するとオーバー分は介護保険が適用されないため、自己負担額は「19,490円」となります。
なお上記費用は、全国の利用実績の平均値を用いた概算です。地域によって費用が異なるため、詳しくはケアマネジャーや事業者にお問い合わせください。
介護予防・日常生活支援総合事業
従来、要支援の方に提供されていた「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護(デイサービス)」は、現在「介護予防・日常生活支援総合事業」に移行されています。
介護予防・日常生活支援総合事業は「総合事業」とも呼ばれ、要支援者と65歳以上のすべての高齢者が対象となるサービスです。指定を受けた介護サービス事業所だけでなく、民間企業やボランティア、NPOなどもサービスを提供します。
介護保険サービスと異なり、各自治体が主体となって行う地域支援事業です。そのためサービスの利用料は、各自治体が独自に設定しています。
たとえば埼玉県羽生市の場合、おもに「介護予防訪問介護相当サービス」と「通所介護相当サービス」が提供されています。
介護予防訪問介護相当サービスでは、ホームヘルパーが訪問して「生活支援」や「身体介助」などを利用者とともに行います。ひと月あたりの自己負担の目安は、以下のとおりです。
1割 | 2割 | 3割 | |
週1回程度の利用 | 1,226円 | 2,451円 | 3,676円 |
週2回程度の利用 | 2,448円 | 4,896円 | 7,343円 |
週2回程度を超える利用(要支援2相当のみ) | 3,884円 | 7,767円 | 11,651円 |
通所介護相当サービスでは、食事の提供や生活機能の維持・向上のためのトレーニングなどが日帰りで受けられます。ひと月あたりの自己負担の目安は、以下のとおりです。
1割 | 2割 | 3割 | |
週1回程度の利用 | 1,718円 | 3,435円 | 5,152円 |
週2回程度の利用 | 3,521円 | 7,041円 | 10,562円 |
総合事業は、各自治体によってサービス内容が異なります。たとえば「栄養改善を目的とした配食・見守り」や「庭木の剪定」といったサービスを提供している団体もあるため、利用を検討している場合はお住まいの市区町村に問い合わせてみましょう。
参考:羽生市「介護予防日常生活支援総合事業」
要支援2の方がレンタルできる福祉用具
要支援2の場合、介護保険を活用して福祉用具がレンタルできます。保険が適用されるのは、以下の福祉用具です。
- 手すり
- スロープ
- 歩行器
- 歩行補助杖
なお、要支援2の場合「車椅子」や「特殊寝台(電動ベッド)」などは、原則として保険給付の対象外です。
要支援2の方が入居できる施設
要支援2の方が入居出来る介護施設は、以下のとおりです。
- 住宅型有料老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- グループホーム(認知症と診断された方のみ)
なお「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」は、要支援2の方は入居できません。
要支援2の方がもらえる補助金
要支援2の方の介護にかかる費用に対し、補助金が出るケースがあります。要支援2の方がもらえる可能性がある補助金は、次の3つです。
- 介護予防住宅改修費
- 福祉用具購入費
- 医療費控除
介護予防住宅改修費
介護予防住宅改修費は、要支援の方が自宅での生活に必要な改修を行った際に受け取れる補助金です。対象となるのは、以下の住宅改修です。
- 手すりの取り付け
- 段差の解消
- 滑り防止・移動の円滑化などを目的とした、床・通路の材質変更
- 扉の取り替え(引き戸など)
- 便器の取り替え(洋式便座など)
- 上記工事に付帯して必要なリフォーム
実際にかかった改修費用の9割が支給されます。支給額の上限は、支給限度基準額(20万円)の9割である18万円です。
対象でない住宅改修には、改修費が支給されません。要支援2の方の在宅介護にあたって改修を検討している場合は、ケアマネジャーに相談しましょう。
出典:厚生労働省「介護保険における住宅改修」
福祉用具購入費
福祉用具購入費は、自宅で利用する福祉用具の購入に支給される補助金です。
対象となるのは、以下の福祉用具です。
- 腰掛便座(ポータブルトイレ・便座の底上げ部分など)
- 自動排泄処理装置の交換可能部品(チューブ・タンクなど)
- 排泄予測支援機器
- 入浴補助用具(入浴用椅子・浴槽用手すり・浴槽内すのこなど)
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具の部分
上記の福祉用具を購入した場合に、1年間で10万円を上限として支給されます。
なお福祉用具購入費は、都道府県知事の指定を受けている「特定福祉用具販売事業者」から購入した福祉用具のみが対象です。指定を受けていない事業者から購入した場合は支給されないため、購入前にケアマネジャーや販売事業者の福祉用具専門相談員に相談しましょう。
医療費控除
要支援2の方が利用できる居宅介護サービスのなかには、医療費控除の対象となるサービスもあります。具体的には、以下のサービスが該当します。
- 介護予防訪問看護
- 介護予防訪問リハビリテーション
- 介護予防居宅療養管理指導
- 介護予防通所リハビリテーション
- 介護予防短期入所療養介護
なお、上記のサービスと組み合わせて利用する場合のみ、以下のサービスも医療費控除の対象となります。
- 介護予防訪問入浴介護
- 介護予防認知症対応型通所介護
- 介護予防小規模多機能型居宅介護
- 介護予防短期入所生活介護
- 地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスを除く)
- 地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスを除く)
上記のサービスを利用した場合、サービスを提供した事業者が発行する領収書に医療費控除の対象になる金額が記載されています。確定申告時に併せて申告しましょう。
要支援2のケアプランの依頼先
介護サービスを受けるのに必要な「ケアプラン」は、要支援か要介護かによって依頼先が異なります。
要介護の場合、ケアプランを作成するのは「居宅介護支援事業所」のケアマネジャーが担当します。一方、要支援の方の場合は「地域包括支援センター」のケアマネジャーが担当します。
作成するのは「介護予防ケアプラン(介護予防サービス計画)」であり、ケアプランに基づいて事業所と契約したうえで介護予防サービスを利用します。
なお、ケアプランは自分で作成することも可能です。この場合は居住地の市区町村の窓口に相談し、必要書類を入手して作成しましょう。
要支援2で1人暮らしは継続できる?
要支援2の方の場合、1人暮らしを続けることは可能です。
要支援2の方は、日常生活を送るのに必要な「身体機能」や「認知機能」は大きく低下していません。ただし掃除や料理、買い物などに支援が必要になるため、これらの支援が受けられる総合事業の「訪問型」を活用しながら1人暮らしを継続すると安心です。
また総合事業「通所型」を利用すれば、食事の提供や心身機能が維持・改善できるトレーニングが受けられます。ほかの利用者とも交流できるため、サービスの利用を通じて友人・知人を作るきっかけとなり得ます。
1人暮らしの継続に不安を感じた場合は「介護予防サービスの利用」や「施設入居」も検討し、安心して生活できる環境を整えましょう。
まとめ
要支援2の方の場合、おもに「居宅介護予防サービス」が利用できます。「困りごと」や「支援してほしい内容」に応じて、さまざまなサービスが組み合わせられるため、在宅でも安心して生活できます。
本記事で紹介した「ケアプランの例」や「サービスの利用費用」を参考に、安心して生活できる環境を整えましょう。
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