親の介護の悩みを相談できるのはどこ?事例ごとにおすすめの相談先を紹介

親の介護の悩みを相談できるのはどこ?事例ごとにおすすめの相談先を紹介

「親の介護の悩みを相談できる場が知りたい」

「介護でストレスがたまる原因を知りたい」

親を含めた親族を在宅介護する方のなかには、このような悩みを持つ方が多いです。

親の介護に関する悩みは、地域包括支援センター、ケアマネージャー、市区町村の介護保険課といったさまざまな窓口で相談できます。適切なサービスや公的制度、関係機関を紹介してもらえるため、悩みの解決につながります。

本記事では、親の介護の悩みが相談できる窓口一覧、悩み別におすすめな相談先を中心に解説します。

親の介護の悩みが相談できる窓口一覧

親の介護の悩みが相談できる窓口一覧

介護に関する悩みが相談できるのは、次のような窓口です。

  • 地域包括支援センター
  • ケアマネージャー
  • 市区町村の担当窓口
  • 社会福祉協議会
  • 医療機関の担当窓口
  • シルバー110番
  • 24時間無料対応の相談窓口も

それぞれの窓口の特徴について解説します。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、介護に関するあらゆる悩みを無料で相談できる窓口です。

地域で暮らす高齢者を支えるために、介護予防ケアマネジメント、総合相談・支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメントといった業務を中心に行っています。

保健師や社会福祉士、主任ケアマネージャーといった専門職が、福祉・保健・医療に関する相談を受け付けています。必要に応じて、適切なサービスや公的制度、関係機関につなぐ役割を担います。

直接来所できない場合は、電話でも相談可能です。自治体によっては、夜間や休館日でもコールセンターにつながるため、24時間・365日相談できます。

参考:横浜市|介護保健総合案内パンフレット(ハートページ)

ケアマネージャー

ケアマネージャーは利用者が適切な介護サービスを利用できるように、介護サービス事業者、医療機関といった関係機関と連携しています。そのため介護に関する悩みを相談すれば、解決につながる具体的なサービスの提案が受けられます。

ケアマネージャーは、居宅介護支援事業所に常駐しています。ケアプランの作成、介護サービス事業者の紹介、介護保険の申請代行といった業務を行っています。

地域包括支援センターに相談すると、ニーズに合った居宅介護支援事業所を紹介してもらえます。

またお住まいの市区町村の介護保険課もしくは地域包括支援センターに、居宅介護支援事業所の情報をまとめた冊子があります。ケアマネージャー選びの情報収集に役立てましょう。

市区町村の担当窓口

お住まいの市区町村の介護保険課では、高齢者福祉や介護保険に関する相談ができます。相談内容に応じて、適切な窓口を紹介してもらうことが可能です。

また介護保険サービスの利用に必要な「要介護認定」は、市区町村の窓口で申請します。

社会福祉協議会

社会福祉協議会は高齢者だけでなく、障がい者や児童、子育て世帯といった幅広い方からの相談を受け付けています。介護保険サービスを利用するなかで「サービスの料金が契約と違う」「大切なものを壊された」といった困りごとがあった場合、苦情の申し出ができます。

医療機関の担当窓口

医療機関内にある相談窓口でも、介護に関する相談ができます。入院中や通院時といった、医療機関を訪れるタイミングで利用できるのが特徴です。

社会福祉士、精神保健福祉士といった資格を持つ医療ソーシャルワーカーが相談を受け付けています。退院後の生活、治療費・入院費の不安といった悩みを相談できます。

シルバー110番

シルバー110番は、各都道府県に設置されています。日常生活で困ったことや悩み事、心配事を相談できます。

都道府県によっては、法律に関する専門的な知識が必要な財産・金銭に関する相談も受け付けています。

24時間無料対応の相談窓口も

民間・行政機関のなかには、24時間・365日無料で相談できる電話窓口があります。

なかには医師や看護師、栄養士、臨床心理士、介護福祉士といった専門職から、アドバイスを受けられる相談先もあります。

参考:伊勢原市|24時間・365日「高齢者いつでも安心電話相談」にご相談ください

認知症に関する悩みの相談先一覧

認知症に関する悩みの相談先一覧

在宅介護では、認知症の対応で悩みを抱える方も多いです。認知症に関する悩みが相談できるのは、次のような窓口です。

  • 認知症に関する電話相談
  • 若年性認知症専用コールセンター
  • 市区町村のコールセンター

それぞれ解説します。

認知症に関する電話相談

認知症に関する電話相談の窓口は、公益社団法人「認知症の人と家族の会」によって運営されています。

認知症に関する知識、介護のしかたに関する悩みを、研修を受けた介護経験者に相談できます。介護に関する愚痴も受け付けているため、気軽に相談できるのが特徴です。

若年性認知症専用コールセンター

若年性認知症専用コールセンターは、65歳未満の若年性認知症の方・その家族から相談を受け付けています。

電話・メールから相談方法が選べます。内容に応じて関係機関への連絡・調整といった支援が受けられます。

市区町村のコールセンター

認知症に関して相談できるコールセンターを設置している市区町村があります。認知症の方の介護に関する悩み、介護方法、病院の選び方に関するアドバイスが受けられます。

事例ごとの相談先

事例ごとの相談先

親の介護で悩みがあっても、相談先に迷うケースがあります。悩み別におすすめの相談先を紹介します。

親の介護が必要になったけどどうしたらいいかわからない

親の介護が必要になった場合、お住まいの市区町村の介護保険課に相談しましょう。

介護保険サービスは、要介護認定を受けなければ利用できません。市区町村の担当窓口では、要介護認定の申請ができます。

相談内容に応じて福祉に関する制度、相談窓口の案内が受けられます。なにから始めたらいいか悩んだ場合は、市区町村の介護保険課に相談しましょう。

親の介護を1人で続けるのが限界

自分1人で親の介護を続けるのが限界だと感じたら、地域包括支援センターへ相談しましょう。

地域包括支援センターは、介護保険サービス・公的制度が利用できるようにサポートします。居宅介護支援事業所や介護施設を紹介してもらえるため、現在の生活を変えるきっかけになります。

介護サービスの回数を増やしたい

現在利用している介護サービスを増やしたい場合、担当のケアマネージャーへ相談しましょう。

ケアマネージャーは利用者の状態・希望をふまえて、悩みの解決につながる介護保険サービスを提案します。サービスを増やしたい理由を説明すれば、悩み・希望・予算を考慮しつつサービスを提案してもらえます。

ヘルパーの対応で嫌な思いをした

ヘルパーの言葉遣い、対応で嫌な思いをした場合、ケアマネージャーに相談しましょう。ケアマネージャーに相談しづらい場合は、訪問介護事業所の「サービス提供責任者」に相談する方法もあります。

サービス提供責任者は、サービスに関する計画書の作成、ヘルパーの教育といった役割を担います。サービス提供責任者に相談すれば、事実確認やヘルパーへの指導といった対応が期待できます。

改善されない場合は、社会福祉協議会や市区町村の担当窓口に相談しましょう。苦情内容の調査、アドバイスといった解決に向けたサポートが受けられます。

親の介護でストレスがたまる原因

親の介護でストレスがたまる原因

親の介護によって「疲れがとれない」「イライラする」といった悩みを抱える方が多いです。親の介護でストレスを感じるのは、次のような原因があります。

  • 肉体的な疲れ
  • 精神的な疲れ
  • 経済面の不安

それぞれ解説します。

肉体的な疲れ

肉体的な疲れは、ストレスがたまる原因の1つです。

被介護者の身体状況によっては、車椅子への移乗やおむつ交換、入浴介助といった身体介助が必要なケースがあります。介護者の身体に負担がかかるため、腰痛をはじめとした不調を引き起こす原因になります。

また夜中にトイレ介助・おむつ交換といった介護が必要であれば、睡眠時間を確保するのが難しくなります。このような生活を毎日続ければ、身体の疲れがたまりストレスの原因になります。

精神的な疲れ

在宅介護では、悩みを1人で抱えてしまう傾向があります。悩みを相談できずに精神的に追い詰められれば、ストレスの原因になります。

介護者は、被介護者の世話に多くの時間を費やします。趣味や好きなこと、人付き合いといったプライベートな時間が犠牲になることがあります。

被介護者との関係に悩むこともあります。相手を思って行動したことが伝わらず、苛立ちや怒りを感じて自己嫌悪に陥るケースが多いです。

経済面の不安

介護にかかる費用、生活費に関する不安から、ストレスを感じることがあります。

在宅介護では、介護保険サービスや介護用品にかかる費用だけでなく、生活費も必要です。介護を理由に仕事を減らしていれば、収入も少なくなって今後の生活に不安を感じます。

ストレスを解消する方法

ストレスを解消する方法

在宅介護で感じているストレスを放置すれば、介護うつ、虐待といった問題につながる恐れがあります。介護のストレスを解消できるのは、次の3つの方法です。

  • 自分の時間を大切にする
  • 睡眠をとる
  • 施設入居を視野に入れる

それぞれ解説します。

自分の時間を大切にする

介護する場から離れる機会を作り、プライベートな時間を大切にしましょう。

自分が好きなことをできる時間があれば、ストレスの解消につながります。趣味に打ち込む・美味しいものを食べるといった、自分がリフレッシュできる方法を見つけて気分転換しましょう。

睡眠をとる

身体・精神的なストレスを解消するには、睡眠が欠かせません。

睡眠不足や不眠が続けば、ストレスを感じやすくなります。しかし被介護者の状態によっては、昼夜逆転して、夜間に活動的になるケースがあります。

睡眠時間は、6.5~7時間程度が理想とされています。十分な睡眠時間を確保できなければ、眠れるタイミングでいつも以上に長い睡眠時間を確保します。睡眠不足を解消し、疲れがたまらないように注意しましょう。

参考:厚生労働省|こころの耳「15分でわかる働く人の睡眠と健康」

施設入居を視野にいれる

在宅介護でストレスがたまる場合、介護施設への入居を検討しましょう。

介護施設には、公的施設と民間施設があります。なかでも特別養護老人ホーム、介護老人保健施設といった公的施設は、費用を抑えられるのが特徴です。

看護師やケアマネージャー、介護士といった専門職による専門的なケアが受けられます。スタッフが常駐しているため、24時間安心して生活することができます。

施設ごとにサービス内容や費用、設備が異なります。ご自身のニーズに合った施設への入居を視野に入れましょう。

まとめ

まとめ

親の介護に関する悩みは、さまざまな窓口で相談できます。関係機関と連携する窓口が多いため、悩みの内容に合わせて具体的な解決策が見つかります。

直接出向かなくても、電話・メールといった方法で相談できる窓口もあります。介護の悩みは1人で抱えずに、解決につながる窓口に相談しましょう。

この記事を書いた人

かいごマガジン編集部

かいごマガジン編集部です。
介護の専門的な情報をどこよりもわかりやすく紹介していきます。
また、世の中の介護がどのように変化していっているのか最新の情報も随時発信していきますのでお楽しみに!
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