介護施設の費用が払えないとどうなる?4つの対処法と費用が抑えられる施設を紹介

介護施設の費用が払えないとどうなる?4つの対処法と費用が抑えられる施設を紹介

「介護施設の費用が払えないとどうなるの?」

「費用が払えないときの対処法はあるの?」

介護施設を利用する方のなかには、このような疑問を持つ方が多いです。

介護施設の費用が払えない場合、強制退去となる可能性があります。支払いが難しいときは「施設の職員に相談する」「制度を活用する」といった方法で対処する必要があります。

本記事では、介護施設の費用が払えないときの対処法、費用が抑えられる施設の種類を中心に解説します。

介護施設の費用が払えないとどうなるの?

介護施設の費用が払えないとどうなるの?

介護施設の費用を滞納した場合、支払いを催促されます。滞納期間によっては、身元保証人に連絡が入るケースもあります。

強制退去の可能性も

費用の滞納が続く場合、介護施設から強制退去となる可能性があります。退去までの猶予は、督促から1~2ヶ月程度が一般的です。

施設によっては、契約書、重要事項説明書に退去要件が記載されていることもあります。たとえば「サービス利用料の支払いが3ヶ月以上遅延し、催告したにもかかわらず支払われない場合」と、具体的な日数を記載する施設もあります。

退去要件、退去までの猶予は施設によって差があります。気になる方は、契約書、重要事項説明書を確認しましょう。

費用が払えないときの5つの対処方法

費用が払えないときの5つの対処方法

介護施設の費用が払えない場合、次の5つの対処法を試しましょう。

  • 施設の職員に相談する
  • 費用負担が軽くなる制度を活用する
  • 世帯分離する
  • 持ち家がある場合はリバースモーゲージを検討する
  • ほかの施設へ転居する

それぞれ解説します。

施設の職員に相談する

費用の支払いが難しいと感じた時点で、施設の相談員やケアマネージャー、事務員に相談しましょう。相談することで「支払期日を延ばす」「支払回数を分ける」といった方法で対応してもらえる可能性があります。

また部屋のタイプを変更することで、費用を抑えられるケースがあります。たとえば個室から相部屋に変更するなどの対処法があります。

しかし、対処法を取れるかどうかは施設の状況によって変わります。まずは施設の職員に相談しましょう。

費用負担が軽くなる制度を活用する

施設によっては、費用負担が軽くなる制度が利用できます。

特定入所者介護サービス費制度

特定入所者介護サービス費制度は、所得が低い方の費用負担を軽くする制度です。

施設の利用料に含まれる食費・居住費は、介護保険適用外です。しかし特定入所者介護サービス費制度を利用すれば、これらの費用は限度額までの負担となります。

特定入所者介護サービス費制度の対象は、次の施設です。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院

なお、特定入所者介護サービス費制度を利用するには「負担限度額認定証」が必要です。お住まいの市区町村で申請できます。

高額介護サービス費

高額介護サービス費は、所得に応じて費用負担を軽くする制度です。

介護サービス費の自己負担分が対象です。自己負担した費用が上限額を超えると、その分が支給されます。

なお、以下の費用は高額介護サービス費の対象外です。

  • 施設の利用料のなかで介護保険が適用されない費用(食費・居住費・日常生活費)
  • 住宅改修費・福祉用具購入費の自己負担分
  • 区分支給限度額を超えた自己負担分

高額介護サービス費の支給を受けるためには、市区町村に申請する必要があります。

高額医療・高額介護合算療養費制度

高額医療・高額介護合算療養費制度は、所得に応じて医療・介護にかかる費用負担を軽くする制度です。

介護保険・医療保険の自己負担分が対象です。自己負担額は、世帯単位で計算します。1年間に自己負担した費用が上限額を超えると、その分が支給されます。

また高額介護サービス費と同じく、介護保険が適用されない費用・住宅改修費・福祉用具購入費は対象外です。高額医療・高額介護合算療養費制度を利用するには、加入している医療保険に申請する必要があります。

利用者負担軽減制度

利用者負担軽減制度は、所得が低く生計が困難な方の費用負担を軽減する制度です。

社会福祉法人が運営する施設・サービスを利用する方が対象です。介護サービス費の自己負担分、食費、居住費の1/4程度が軽減されます。

利用者負担軽減制度を利用するには、「社会福祉法人等利用者負担軽減確認証」が必要です。市区町村に申請し、認められた方だけに交付されます。

参考:厚生労働省|社会福祉法人等による利用者負担軽減制度について

医療費控除

医療費控除は、支払った医療費に応じて所得控除が受けられる制度です。納税者と生計を共にする配偶者・親族のために支払った1年間の医療費が対象です。

医療費控除の対象は、以下の表のとおりです。

施設の種類対象費用対象外の費用
特別養護老人ホーム施設サービス費(介護サービス費・食費・居住費)のうち自己負担で支払った1/2に相当する金額

日常生活費特別なサービス費用
介護老人保健施設
施設サービス費(介護サービス費・食費・居住費)のうち自己負担で支払った金額
介護療養型医療施設
介護医療院

参考:国税庁|医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価

主治医が発行した「おむつ使用証明書」がある場合、おむつ代も対象となります。医療費控除は、確定申告の際に申告します。

特定障害者特別給付

特定障害者特別給付は、グループホームで暮らす低所得の方の費用負担を軽くする制度です。グループホームの居住費の金額に応じて、月額1万円を上限に支給されます。

参考:厚生労働省|特定障害者特別給付費の対象拡大に伴う支援給付制度上の取扱いについて

生活保護

生活保護を受けることで、介護施設で生活し続けられる可能性があります。

介護サービスにかかる費用は「介護扶助」に該当するため、生活保護の支給対象です。そのため、生活保護受給者を受け入れている施設であれば、費用の心配をせずに生活しつづけられます。

生活保護の利用に関しては、お住まいの地域を管轄する福祉事務所で相談できます。

世帯分離する

介護施設の費用が払えない場合、世帯分離をすれば費用負担が軽くなるケースがあります。世帯分離とは、住民票を分けて別世帯になることです。

介護施設で利用できる制度のなかには、世帯の収入に応じて負担が軽減される制度があります。世帯分離をして収入額を減らせば、制度が適用されて負担が軽くなる可能性があります。

現在の施設で利用できそうな制度、世帯収入に応じて、世帯分離を検討しましょう。

持ち家がある場合はリバースモーゲージを検討する

リバースモーゲージを活用すれば、介護施設の費用が工面できます。

リバースモーゲージは、持ち家に住み続けながら、毎月、あるいは一括で生活資金を借り入れるシステムです。借入人が死亡したときに担保となっている不動産を処分し、借入金を返済します。

持ち家をすぐに売る必要がなく、継続して介護資金を得られるのが特徴です。金融機関、各都道府県の社会福祉協議会で取り扱っています。

持ち家がある方は、リバースモーゲージを利用して費用を捻出することを検討しましょう。

ほかの施設へ転居する

費用が抑えられる施設へ転居する方法があります。

介護施設にはさまざまな種類があり、サービス内容や医療体制、設備といった面に差があります。なかでも公的施設は、公的な補助を受けているため費用が抑えられます。

また「駅からアクセスしづらい」「築年数が経っている」といった施設は、リーズナブルに入居できる傾向があります。介護施設の利用は長期にわたります。そのため、無理なく費用を払い続けられる施設を選びましょう。

費用が抑えられる公的施設

費用が抑えられる公的施設

介護施設には「公的施設」「民間施設」がありますが、費用が抑えられるのは公的施設です。初期費用がかからない施設が多いため、入居時にまとまった費用を用意する必要はありません。

公的施設には、次のような種類があります。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
  • ケアハウス

それぞれ解説します。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホームは、介護を必要とする高齢者が日常生活上の支援、機能訓練を受けられる施設です。看取りに対応する施設が多く、終身で利用できます。

入居条件

特別養護老人ホームの入居条件は次のとおりです。

  • 要介護3以上に認定されている方
  • 特例によって入居が認められた要介護1・2の方

費用を抑えられるため、人気が高い施設です。しかし、ほかの公的施設と比べると入居条件が厳しく、待機期間が長い傾向があります。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設は、介護を必要とする高齢者の自立をサポートする施設です。医学的管理のもと、日常生活上の支援、リハビリテーションを行い、在宅生活への復帰を目指します。

入居条件

介護老人保健施設の入居条件は次のとおりです。

  • 要介護1~5に認定されている方
  • 病状が安定していてリハビリテーションが必要な方

質の高いリハビリテーションを受けられるのが特徴です。しかし在宅復帰を目指す施設であるため、入居期間は原則3~6ヶ月です。

介護医療院

介護医療院は、介護を必要とする高齢者が療養しながら生活できる施設です。日常生活上の支援、機能訓練、必要な医療が受けられます。

入居条件

介護医療院の入居条件は次のとおりです。

  • 要介護1~5に認定されている方
  • 日常的に医療的ケアが必要な方

介護医療院は、医療体制が充実しています。そのため療養しながら、長期間利用できるのが特徴です。一方ほかの公的施設と比べると、費用が高い傾向があります。

介護付きケアハウス

介護付きケアハウスは、低所得であって日常生活に不安のある方が入居できる住まいです。

介護付きケアハウスは「特定施設入居者生活介護」という、介護保険法上の指定を受けています。介護を必要とする方が、日常生活上の支援、機能訓練が受けられます。

入居条件

ケアハウスの入居条件は次のとおりです。

  • 要支援・要介護認定されている方
  • 家族から援助を受けるのが難しい方

なお、施設によって入居条件が異なります。

ケアハウスは、低価格で個室を利用できるのが特徴です。一方で費用を抑えられるため人気が高く、入居までの期間が長いケースがあります。

まとめ

まとめ

介護施設の費用が払えない場合、強制退去を迫られる可能性があります。しかし、施設によって退去要件、退去までの猶予期間に差があります。

状況に応じて費用が払えないときの対処法を実践し、安心して介護施設を利用しましょう。

この記事を書いた人

かいごマガジン編集部

かいごマガジン編集部です。
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