介護ドライバーは未経験でも転職できる!年収・仕事内容も解説

介護ドライバーは未経験でも転職できる!年収・仕事内容も解説

「介護ドライバーに興味があるが、未経験でも転職できるか不安」

「介護ドライバーは長く働き続けられる仕事なのか知りたい」

介護ドライバーへの転職を検討されている方のなかには、上記のような疑問がある方も多いのではないでしょうか。

介護ドライバーは、高齢者が利用する介護サービスを提供する施設において、利用者を車で送迎する仕事です。介護関連の資格は必須ではなく、普通自動車第一種免許があれば未経験でも転職できます。

本記事では、介護ドライバーの概要や仕事内容、年収などを紹介します。働き続けられる年齢も解説しているため、転職を検討中の方はぜひご覧ください。

介護ドライバーは未経験でも転職できる

介護車両の前に立つドライバーと利用者

介護サービスの利用者を送迎する介護ドライバーの仕事は、未経験でも転職できます。

介護業界全体で慢性的な人材不足が続いており、デイサービスやショートステイなどの利用者の送迎を担う介護ドライバーの需要が増えています。また、介護関連の資格は必須ではなく、送迎車両の運転に必要な普通自動車第一種免許があれば転職できるため、未経験でも挑戦しやすい仕事です。

そもそも介護ドライバーとは

悩むポロシャツを着た女性と男性

そもそも介護ドライバーとは、介護が必要な高齢者が利用するデイサービス・ショートステイなどを提供する施設において、利用者を送迎するドライバーのことです。

たとえば、デイサービスでは、利用者は日中のみデイサービスで過ごして介護サービスを受けます。そのため、介護ドライバーは朝に利用者の自宅まで車で迎えに行き、デイサービスの利用が終了した午後に自宅まで送ります。

運転する車両は、軽ワゴンやミニバンなどの乗用車以外に、車椅子のまま乗車できる介護車両などです。

介護タクシードライバーとの違い

介護ドライバーは介護施設に雇用されるのが一般的で、その施設の利用者のみを送迎するケースが多いのが特徴です。一方、介護タクシーのドライバーはタクシー会社に雇用され、介護施設の利用者以外にも幅広いお客様を送迎します。

以下の記事では、介護タクシーの仕事を詳しく解説しています。介護タクシーのドライバーに転職する方法も紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。

介護タクシーに転職する方法は2つ!収入・仕事内容も解説

介護ドライバーの仕事内容

車椅子に座った男性の移動を支援する男性

介護ドライバーの仕事内容は、おもに以下5つに分けられます。

  • 利用者の送迎
  • 送迎車両の整備・点検
  • 送迎記録・運行記録の作成
  • 送迎計画の作成
  • 雑務

利用者の送迎

利用者の送迎は、介護ドライバーの仕事の大半を占めます。当日に送迎する利用者と送迎ルートなどを確認し、車で利用者宅まで向かいます。サービスの利用が終わった後は、再び利用者を自宅まで送り届ける流れです。

なお、デイサービス・通所リハビリ・ショートステイなどの場合、日によって利用者数や送迎時間などが異なります。利用者が休むと送迎ルートが変更になるケースもあるため、臨機応変な対応が求められるでしょう。

送迎車両の整備・点検

安全に送迎業務をおこなうために、送迎車両の整備・点検をおこないます。具体的には、ガソリンの残量・タイヤの空気圧の確認や、車内の清掃・消毒などです。

車椅子のまま乗車できるリフトが搭載されている車両の場合、リフトやロック、シートベルトが正常に動作するかの確認も必要です。

送迎記録・運行記録の作成

実際に送迎した事実や状況を記録する「送迎記録」や、車両の異常や運行時間、距離などを記録する「運行記録」などを作成します。ドライバーが記入し、同乗した介護スタッフとドライバーがサインするのが一般的です。

送迎記録では、送迎した利用者の氏名や出発・到着時刻、送迎時の出来事などを記入し、運行記録には運転前の車両点検結果や発着時間、距離数、給油の有無などを記入します。

たとえば、点検時に車体に傷があることを確認した場合、運行記録に記録しておかないと適切に対処できません。トラブルを防ぐためにも、正確に記録を残すことが大切です。

送迎計画の作成

送迎計画は、利用者を安全かつスムーズに送迎するために、事前に作成する計画表です。施設責任者や担当の介護スタッフが作成するケースが多いものの、ドライバーが担当する施設もあります。

具体的な項目は、送迎ルートや利用者ごとの乗車・降車順、到着予定時刻、運転手や搭乗スタッフの割り当てなどです。専用のシステムで送迎計画を作成している施設もあり、この場合はシステムの利用方法を把握する必要があります。

雑務

施設によっては、ドライバー業務以外に雑務もおこないます。具体的には、備品の修繕・補修や備品の買い出し、介護現場での補助などです。

施設によって任される業務は異なるため、面接時にあらかじめ確認しておきましょう。

介護ドライバーに必要な資格

運転免許証と車

介護ドライバーになるのに必要な資格は「普通自動車第一種運転免許」のみで、中型自動車免許や普通自動車第二種運転免許などは不要です。

なお、送迎で移乗・移動時に介助をおこなう場合は、介護職員初任者研修以上の資格が必要です。利用者の介助に対応できるドライバーを求めている施設では、募集要件に必要資格が記載してあるケースもあります。

介護ドライバーの勤務形態

介護施設は平日だけでなく土曜日も開いている施設もあるため、介護ドライバーの勤務形態は働く施設によって異なります。

たとえば、平日と土曜日に開いている施設の場合、平日と日曜日のなかからシフト制で月10日程度休日を取得します。施設が休みの曜日や月間休日数は職場によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

介護ドライバーの平均年収

給料袋と貯金箱と電卓

介護ドライバーの平均年収は約431万円で、月給で換算すると約36万円です。また、アルバイト・パートの平均時給は約1,139円です。

なお、介護ドライバーの求人には、保有資格に応じた資格手当があるものや、介護職員初任者研修をはじめとする資格取得のための補助金が支給されるものもあります。

参照:求人ボックス「介護ドライバーの仕事の平均年収は431万円/平均時給は1,139円!給料ナビで詳しく紹介

介護ドライバーへの転職が向いている人の特徴

男性ドライバーと車椅子に座る男性

介護ドライバーへの転職が向いているのは、以下のような方です。

  • 車の運転が好きな方
  • 高齢者を乗せた運転に抵抗がない方
  • 人と接するのが好きな方

介護ドライバーの仕事は運転業務が大半を占めるため、車の運転が好きな方は運転技術や経験を活かして働けます。また、介護ドライバーは高齢者や身体の不自由な方などを乗せて運転するため、利用者の安全や乗り心地などに配慮して運転できる方は、信頼されるドライバーになれます。

さらに、介護ドライバーは車の運転だけでなく、利用者やその家族、介護スタッフなどとコミュニケーションを取ることが多い仕事です。そのため、人と接することが好きな方は信頼関係を築きやすく、仕事を円滑に進められます。

介護ドライバーへの転職が不向きな人の特徴

悩む男性

介護ドライバーへの転職が不向きなのは、以下のような方です。

  • 車の運転に不慣れな方
  • 1人で黙々と仕事したい方
  • 高齢者と接するのが苦手な方

介護ドライバーが送迎を担当する利用者のなかには、交通量の多い場所や狭い道路などに自宅がある利用者もいます。駐車場の確保が難しく、短時間で乗降を済ませなければならない場面もあるため、車の運転に不慣れだと事故につながってしまう可能性があります。加えて、ワゴン車やワンボックスカーなどの大きめの車両を運転するケースもあるため、運転経験が浅い方はまず運転スキルを十分に身につける必要があるでしょう。

また、車を運転しながら利用者の体調や気分の変化に気を配る必要があります。場面ごとに適切な声掛けをする必要があるため、1人で黙々と運転したい方も介護ドライバーには不向きです。さらに、介護サービスの利用者は高齢者がメインです。高齢者と接するのが苦手な方や応対を面倒に感じる方などは、利用者と信頼関係を築くのが難しく、介護ドライバーの仕事にやりがいを感じにくいでしょう。

介護ドライバーへの転職でよくある3つの質問

よくある質問

介護ドライバーへの転職でよくある質問は、以下の3つです。

  • 質問1.介護ドライバーの仕事に将来性はありますか?
  • 質問2.介護ドライバーに正社員の求人はありますか?
  • 質問3.介護ドライバーとして何歳まで働けますか?

質問1.介護ドライバーの仕事に将来性はありますか?

介護ドライバーは将来性がある仕事といえます。日本の高齢化率は2035年に32.3%に達する見込みで、介護サービスの需要拡大が確実視されています。なかでも介護ドライバーが関わるデイサービスやショートステイが含まれる在宅介護サービス量の見込みは、2026年度時点で407万人で、2023年度の381万人から7%増加する見通しです。

また、運転技術に自信がなく送迎に対応できない介護スタッフが多いうえ、公共交通機関が発達している地域ではそもそも免許を持っていないスタッフもいます。介護スタッフの人手不足も深刻なことから、送迎業務を専門に担う介護ドライバーの需要は高く、将来性も高いといえます。

参照:厚生労働省老健局「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」現状と課題・論点について

参照:内閣府「令和6年版 高齢社会白書

質問2.介護ドライバーに正社員の求人はありますか?

介護ドライバーの正社員求人は、パート・アルバイトと比べると少ないものの存在します。正社員求人の一例を紹介します。

勤務時間以下2種類から選択可能
・8:30~18:30(休憩120分)
・8:30~11:00 / 16:00~18:30(中抜け)
休日完全週休2日制(日曜日+他週1日)
勤務形態シフト制
給与・月給:約203,000円
・賞与:年2回
応募条件・要普通自動車運転免許(AT限定可)
・未経験者歓迎、学歴不問、職歴不問

上記の求人の仕事では、ワンボックスタイプのハイエース、キャラバンなどの車を運転します。介護スタッフが添乗するため、利用者対応は任せることが可能です。

質問3.介護ドライバーとして何歳まで働けますか?

介護ドライバーの年齢制限はないものの、なかには65歳や70歳を定年とする施設もあります。理由としては、注意力や判断力などの低下から事故リスクが高まることが挙げられます。

なお「60代以上も応募可」の求人もあるため、年齢が理由で転職が難しいと感じている場合は意識して探してみるとよいでしょう。また、65歳以降も働き続けたいと考えている場合は、定年や雇用延長の有無を確認することも大切です。

まとめ

胸に手をあてる男性ドライバー

介護ドライバーは、普通自動車第一種運転免許があれば未経験からでも挑戦できます。高齢化の進行により介護サービスの需要は今後ますます拡大し、ドライバーを含む人手不足も深刻化しているため、将来性の高い仕事といえるでしょう。

本記事で紹介した向いている人の特徴や働ける年齢なども参考に、転職先候補として介護ドライバーも検討してみましょう。

この記事を書いた人

かいごマガジン編集部

かいごマガジン編集部です。
介護の専門的な情報をどこよりもわかりやすく紹介していきます。
また、世の中の介護がどのように変化していっているのか最新の情報も随時発信していきますのでお楽しみに!
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