特別養護老人ホームの入所対象者とは?利用するメリット・デメリットも解説します!

特別養護老人ホームの入所対象者とは?利用するメリット・デメリットも解説します!

特別養護老人ホーム(特養)は、どのような人が入所対象者なのでしょうか。またさまざまな介護施設の種類がある中、特別養護老人ホームのメリット・デメリットも知りたいところです。

当記事では特別養護老人ホームの概要や入所対象者、利用するメリット・デメリットを紹介します。特別養護老人ホームへの入所を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

特別養護老人ホーム(特養)とは?

特別養護老人ホーム(特養)とは?

特別養護老人ホーム(特養)とは、病気や障害により、自宅での生活が困難になった高齢者が入所する施設です。特別養護老人ホームは全ての高齢者が入所できるわけではなく、設定された基準を満たしている方のみ入所できます。

特別養護老人ホームの入所対象者は主に3つ

特別養護老人ホームの入所対象者は主に3つ

特別養護老人ホームの入所対象者は次の3つです。

  • 要介護度3以上で65歳以上の方
  • 特定疾病が認められた要介護度3以上で40~64歳以上の方
  • 特例により入居が認められた要介護1~2の方

それぞれ詳しく紹介します。

1.要介護度3以上で65歳以上の方

要介護3以上の認定を受けた65歳以上の高齢者は、特別養護老人ホームの入所対象です。病気や障害で自宅での生活が難しく、特別養護老人ホームへの入所を希望する人は居住地の市区町村で認定を受けましょう。

2.特定疾病が認められた要介護度3以上で40歳以上の方

特定疾病が認められた要介護3以上の方であれば、40歳以上の方も特別養護老人ホームに入所できます。特定疾病には筋萎縮性側索硬化症やパーキンソン病といった進行性の病気など、合計16の病気が特定疾病の対象になります。

3.特例により入居が認められた要介護1~2の方

要介護1〜2の方でも特例に該当すると、特別養護老人ホームへの入所が認められます。要介護1〜2の方で、特例が認められるケースは次の通りです。

  • 認知症が進行し日常生活に支障をきたしている
  • 知的障害や精神障害により日常生活に支障をきたしている
  • 同居している家族等から虐待をうけ、生活するのが困難
  • 家族や地域支援を十分に期待できない

要介護1〜2で上記いずれかに該当する方は、特別養護老人ホームへの入所を市町村に相談すると良いでしょう。

特別養護老人ホームを利用する3つのメリット

特別養護老人ホームを利用する3つのメリット

特別養護老人ホームを利用するメリットは次の3つです。

  • 費用が安い
  • 介護が24時間受けられる
  • 長期入所が可能である

メリットについてそれぞれ詳しく紹介します。

1.費用が安い

特別養護老人ホームは他の介護施設と比較すると、費用が安い傾向にあります。

有料老人ホームなど民間の施設は、月額利用料に加えて入居一時金が必要です。施設によって費用に差はありますが、初期費用が高くなりやすいでしょう。

その点、特別養護老人ホームは、入居一時金が必要なく居住費等を含む月額利用料のみと、初期費用が抑えられます。

また特別養護老人ホームの月額利用料は、医療費控除の対象になるのが特徴です。月額利用料の約50%が医療費控除の対象になるため、費用を安く抑えられるでしょう。

2.介護が24時間受けられる

24時間介護を受けられるのが、特別養護老人ホームのメリットです。

特別養護老人ホームは、利用者3人に対して介護職員1名と配置基準が設定されています。24時間介護職員が常駐しているため、日中はもちろん夜間も介護を受けられるのが魅力です。

3.長期入所が可能である

特別養護老人ホームは入所期間が決まっていないため、長期入所も可能です。

介護老人保健施設は入所期間が決まっているため、長期間の入所は難しい場合が多いです。一方、特別養護老人ホームは、亡くなるまで同じ施設で生活する方もいます。

特別養護老人ホームを利用する2つのデメリット

特別養護老人ホームを利用する2つのデメリット

特別養護老人ホームを利用するデメリットは次の2つです。

  • 待機者が多い
  • 夜間の医療体制に限界がある

それぞれ詳しく紹介します。

1.待機者が多い

特別養護老人ホームの入所対象者は原則要介護3以上ですが、入所希望者が多いため、待機者が多い傾向にあります。そのためすぐに入所できるわけではない点がデメリットです。

特別養護老人ホームは「特定疾病が認められた要介護度3以上で40~64歳以上の方」などの方も対象になります。しかし、要介護3以上の方が優先的に入所する傾向にあります。

このように優先順位が決められるため、すぐに入所できない方も多く、希望しても必ずしも入所できるとは限りません。

2.夜間の医療体制に限界がある

特別養護老人ホームの夜間の医療体制には限界があります。

日中帯は看護師が配置されていますが、夜間の配置は必須ではありません。夜間に医療ケアが必要になっても、看護師がいない特別養護老人ホームでは十分に対応できない可能性もあります。

また、必要な医療ケアによっては、入所が難しいと判断される可能性もあるでしょう。特別養護老人ホームを選ぶ際は「夜間の医療体制」「受けられる医療ケアの内容」など、事前のリサーチが重要です。

特別養護老人ホームの入所対象者でよくある2つの質問

特別養護老人ホームの入所対象者でよくある2つの質問

特別養護老人ホームの入所対象者でよくある質問は次の2つです。

  • 医療依存度の高い高齢者も入所可能ですか?
  • どのように特別養護老人ホームを選ぶと良いですか?

ここでは、質問について回答していきます。

質問1.医療依存度の高い高齢者も入所可能ですか?

特別養護老人ホームは、24時間看護師の配置が必須ではありません。そのため施設によっては夜間に看護師が配置されていない場合も多いです。

したがって医療依存度の高い高齢者は、対象条件を満たしていても入所できない可能性があります。医療依存度が高い方は「満足に医療ケアを受けられる施設」「病院が併設されている施設」などを同時に検討しておきましょう。

質問2.どのように特別養護老人ホームを選ぶと良いですか?

特別養護老人ホームを選ぶ際は「設備が整っているか」「希望する居室のタイプがあるのか」など、事前に情報を集めるのが重要です。自治体の窓口に相談したり、インターネットを活用して情報収集したりするのがおすすめです。

候補をいくつか絞り込んだあとは、見学できるか施設に問い合わせてみてください。入所前に施設を見学しておくと、施設や職員の雰囲気が感じられるため、入所した際の施設内での生活をイメージしやすいでしょう。

まとめ

まとめ

ここまで特別養護老人ホームの概要や入所対象者、利用するメリット・デメリットを紹介しました。

特別養護老人ホームは他の介護施設よりもと比較した時に費用を抑えられる点も、特別養護老人ホームの魅力です。月額利用料の約50%が医療費控除の対象になります。

ただし特別養護老人ホームは入所基準が決まっているため、誰もが入所できるわけではありません。特別養護老人ホームへの入所を検討している方は、当記事を参考に自分にあった施設を探してみましょう。

この記事を書いた人

かいごマガジン編集部

かいごマガジン編集部です。
介護の専門的な情報をどこよりもわかりやすく紹介していきます。
また、世の中の介護がどのように変化していっているのか最新の情報も随時発信していきますのでお楽しみに!
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