介護福祉士として働きながらの現場業務に、限界を感じたことはありませんか?
長時間労働や体力的な負担が続く中で、将来も同じ働き方が続けられるのか不安になるのは当然のことです。
実際に30代後半から40代前半にかけて、将来のキャリアについて悩む方が増えています。
そこで今回は、介護福祉士の資格を活かせる転職先や現場以外の働き方について、詳しく解説します。
介護福祉士の資格を保有しており転職を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
記事目次
介護福祉士が転職で失敗しないためのポイント
介護福祉士は、国家資格としての信頼性が高く、幅広い職場で求められるスキルです。
転職で失敗しないための主なポイントは以下です。
- 資格を活かせる転職先をみつける
- 転職理由を明確にする
それぞれのくわしい内容を解説します。
資格を活かせる転職先をみつける
介護福祉士の資格を活かせる職場を見つけるには、以下のような方法で転職活動を進めるのがオススメです。
以下の記事でもおすすめの転職エージェントを紹介しているので、あわせて参考にしてください。
おすすめの転職エージェント5選!しつこい営業電話の少ないエージェントも比較
転職理由を明確にする
転職の目的が曖昧だと、結果的にミスマッチが起こりやすくなります。
たとえば「給料をアップしたい」「人間関係を改善したい」「キャリアアップを目指したい」など、自分が何を求めているのかを明確にすると理想の転職先をみつけやすくなるでしょう。
転職理由を明確にすれば、失敗を避けるだけでなく後悔のない選択ができます。
年代や状況に応じた職場選びの考え方
介護福祉士として転職を考える際には、年代や状況に応じた選択が重要です。
以下で、それぞれの年代で求められるスキルや働き方の特徴を紹介するので、参考にしてください。
30代以下なら「現場」でバリバリ働ける
若い世代は体力的な面で有利となり、現場での活躍が期待されます。
特に以下のような職種で活躍できるでしょう。
- 介護職員(ホームヘルパー)
- 介護福祉士
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- サービス責任者
- 生活相談員
- 支援相談員
- 機能訓練指導員
これらの職種では、現場での経験を積みながらスキルを向上させ将来的なキャリアアップも見込めます。
以下の記事では、30代に向けた転職のポイントを紹介しているので、ぜひあわせて参考にしてください。
30代でも介護業界に転職できる4つの理由!メリット・注意点も解説
40代は「キャリアアップ」を目指すのもよい
40代の方は、さらに上の資格を取得し、キャリアアップを目指す道もオススメです。
介護福祉士が目指せる介護関係の資格は以下の5つです。
- 認定介護福祉士
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 看護師
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
特に、現場で働き続けることに不安が増すこの年代では、資格を取得しておくと、将来的な転職や異動の際にも有利に働きます。
40代という節目に、新たな資格に挑戦してみるのもよいかもしれません。
以下のページでは40代を対象に、転職のポイントを解説しているので、ぜひチェックしてください。
40代未経験でも介護職に転職できる!理由や現状・成功の秘訣を徹底解説
50代以降は「現場以外」の働き方も
50代以降になると、体力面を考慮して現場以外の働き方を模索する必要があります。
介護福祉士としての経験を活かしつつ、新たなステージに進める職種は以下のとおりです。
- 生活相談員・支援相談員(社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格)
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- サービス提供責任者(介護福祉士実務者研修・介護福祉士など)
- 管理者(勤務先による)
資格を活かせば、現場から一歩離れた業務への移行がスムーズになります。
体力仕事や夜間勤務の多い現場仕事がつらいと感じている方は、現場以外の職種を検討してみるのもよいでしょう。
介護福祉士が取れる資格と取得の流れ
介護福祉士としてのキャリアをさらに充実させるためには、新たな資格を取得するのもオススメです。
介護福祉士が取得できる主要な資格は次の通りです。
資格 | 内容 |
認定介護福祉士 | 介護現場でリーダーシップを発揮し、チームをマネジメントする資格 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 利用者のケアプランを作成し、介護サービスを調整する資格 |
生活相談員 | 利用者さんやご家族の相談に応じ、解決策を提案する役割 |
サービス提供責任者(サ責) | 訪問介護事業所でヘルパーを管理し、サービス内容を調整する役割 |
以下で、それぞれの資格の取得方法を解説します。
認定介護福祉士
認定介護福祉士は、現場でリーダーシップを発揮し、介護チーム全体をマネジメントする役割を担います。
この資格を取得すれば、より質の高いケアを提供できるだけでなく、介護業界内での信頼も高まるでしょう。
資格要件は以下のとおりです。
- 介護福祉士の資格を保有している
- 介護福祉士として5年以上の実務経験がある
- 認定介護福祉士養成講座を100時間以上受講成績基準:研修実施団体が課すレポート課題または受講試験で一定の成績を修めることが必須
- 小チームのリーダーとして実務経験を有する
- 居宅サービス、施設系サービス双方で生活支援経験がある
認定介護福祉士の資格は、現場経験が豊富で、リーダーシップを発揮したい方に適しています。
出典:認定介護福祉士になるには|認定介護福祉士認証・認定機構
介護支援専門員(ケアマネジャー)
ケアマネジャーは、利用者のケアプランを作成し、介護サービス全体をコーディネートする重要な役割を担います。
現場作業が少なく、主にデスクワークが中心です。
ケアマネジャー試験を受けるには、以下の条件のいずれかを満たす必要があります。
- 介護福祉士や社会福祉士、看護師などの国家資格を有し、実務経験を5年以上積むこと
- 生活相談員や支援相談員などの相談援助業務で5年以上の実務経験を積むこと
ケアマネジャーは、現場よりもデスクワークを中心に、計画や調整業務を担当したい方に適しています。
利用者やその家族との調整力が求められるため、対人スキルがある方にも向いている職種といえるでしょう。
生活相談員
生活相談員は、利用者やその家族の悩みや相談に応じ、解決策を提示する職種です。
施設内でのコミュニケーション能力が求められるため、対人スキルが重要となります。
厚生労働省が定める資格要件は以下のように定められています。
”生活相談員は、社会福祉法第十九条第一項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。”
引用::厚生労働省令第46号(平成11年3月31日)「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」第五条2項
この同等以上の能力について、明確な基準が示されていないため、各自治体によって判断基準が異なります。
そのため、生活相談員を目指す方は、お住まいの自治体に資格要件を確認しましょう。
コミュニケーション能力が高い方にオススメです。
サービス提供責任者(サ責)
訪問介護事業所で中心的な役割を担うサービス提供責任者は、ヘルパーの管理や利用者へのサービス内容を調整します。
サービス提供責任者という資格は存在せず、介護福祉士の資格をもった人がなれる役職のひとつです。
サービス提供責任者になるために、必要な資格は以下の通りです。
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
旧資格として、介護職員基礎研修とホームヘルパー1級も該当します。
廃止前に上記資格を取得している方も、サービス提供責任者になることが可能です。
【介護現場以外】介護福祉士資格を活かせる転職先一覧
介護福祉士の資格は、現場だけでなく幅広い職場で活用できます。
介護現場以外で資格を活かせる代表的な転職先は、次の通りです。
- 初任者研修や実務者研修の講師
- 福祉系高等学校の教員
- 介護福祉士養成施設の教員
- 福祉用具専門相談員
以下に、それぞれの職種の内容や条件を詳しく解説します。
初任者研修や実務者研修の講師
講師は、研修を通じて介護職を目指す人々に知識と技術を教える仕事です。
カリキュラムに沿った講義や実技指導で、業界全体の質の向上に貢献します。
介護現場で培った経験を次世代に活かしたい人に最適な職種です。
条件は、各都道府県が定める要件を満たす必要があります。
詳細は、各都道府県の窓口にお問い合わせください。
福祉系高等学校の教員
福祉系高等学校の教員は、国家資格取得を目指す生徒に介護の基礎知識や実践スキルを教える職種です。
国家試験受験資格を得られる高等学校は、全国に570校以上あるため、転職先にも困らないでしょう。
福祉系高等学校の教員になるためには、「福祉」に対応する教員免許を取得する必要があります。
詳しくは、文部科学省の「福祉系高等学校等の教員要件」を確認してください。
福祉系高等学校の教員は、若い世代に介護の魅力を伝えたい人に最適な職種だといえます。
介護福祉士養成施設の教員
介護福祉士養成施設では、学生に対して介護技術や理論を教えます。講義のほかに実技指導や試験対策のサポートも担当するのが特徴です。
介護福祉士養成施設は全国に480校以上あり、多くの学校から転職先を選べるでしょう。
介護福祉士養成施設の教員になるには、以下の要件を満たす必要があります。
- 介護福祉士や社会福祉士、医師、看護師などの資格を取得後5年以上の実務経験を積む
- 学校教育法に基づく大学(大学院・短期大学を含む)または、高等専門学校にといて教授、准教授、助教授としてその担当する教育に関して教授する資格を有する
- 学校教育法に音づいた専修学校の専門課程の教員として、担当する教育に関して3年以上の経験を有する
上記以外にも専任教員として介護の講義をするためには、専任教員過程等の修了など細かい規定があるため注意してください。
介護福祉士養成施設の教員は、専門性の高い教育環境で働きたい人に適した仕事です。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、利用者に合った福祉用具を提案し、適切な使い方を指導します。
利用者やその家族との面談を通じて、日常生活を快適に過ごすためのサポートを提供する仕事です。
福祉用具専門相談員になるためには、指定講習を受講し、試験に合格する必要があります。
介護福祉士の資格保有者は、講習を受ける必要なく福祉用具専門相談員に携われます。
福祉用具専門相談員の仕事は、利用者さんの生活を支えながら、事務系の職種に転職したい方に最適です。
介護福祉士の転職Q&A
最後に、介護福祉士として転職を考える方からよくある質問とその解決策について、詳しく解説します。
具体的な課題を解消し、自分に合った転職計画を立てるヒントにしてください。
Q.介護職の離職率が高いのはなぜですか?
介護職の離職率が高い理由として、以下が挙げられます。
- 長時間労働や身体を使う作業が多い
- 給与が他業種と比べると低いと感じる
- 人間関係のトラブルが原因になった
転職活動の際に施設の雰囲気や働き方を吟味し、自分に合った職場環境や業務内容を選ぶことが早期離職を防ぐポイントです。
Q.40代になって仕事が全然覚えられないです…転職できますか?
40代での転職も可能です。
できるだけ早く仕事を覚えるために、以下のポイントを意識しましょう。
- 教えてもらったことはメモを取る
- わからないことは自分から聞く
- 自己判断で行動しない
- コミュニケーションを取る
新しい環境での適応には約3か月かかるとされています。
介護職は焦らず、継続的に努力すれば40代でも活躍できる環境です。
Q.介護職は日勤のみだと給与が下がりますか?
一般的に、夜勤を伴わない日勤のみの勤務形態では、給与が下がることもあります。
主な理由は以下の通りです。
- 夜勤手当が支給されないため、収入が低くなる場合もある
- 夜勤1回あたり5,000~6,000円程度の手当が減少する
デイサービスなど夜勤がない施設では、日勤のみの働き方が一般的です。
資格を取得したり役職に就いたりすることで、夜勤に入らずとも収入を増やすことは十分可能です。
まとめ
介護福祉士として転職を成功させるためには、自分のキャリアやスキルに合った職場をみつけることが重要です。
この記事で紹介した以下のポイントを押さえ、理想の職場を目指しましょう。
- 資格を活かせる職場を選び、キャリアアップを視野に入れる。
- 年代や状況に応じた柔軟な働き方を模索する。
- 転職の不安を解消し、計画的に進める。
これからの転職活動を成功させるためには、自分の強みを活かした準備が大切です。
新たな職場での充実した生活を実現しましょう。