皆さんこんにちは!
養護白寿荘の伊藤です。
8/19(火)10:00、一般社団法人アーツアライブの皆様をお招きし、白寿荘でアート鑑賞会を行いました。
今回取り上げたのは、イギリスの画家ラウル・デュフィの作品です。
「見る」から始まる対話
鑑賞会の最初にお伝えしたのは、「絵に正解はありません」ということ。
自由に感じ、自由に話していい。
「最初と最後で感想が変わってもいいんですよ」とお声がけすると、
皆さんほっとした表情で絵に向き合ってくださいました。
1枚目の作品:港町の風景
最初の作品は、港町を描いたもの。
- 「雨が降っているみたい」
- 「イギリスの街並みに似ている」
- 「船が難破しているのでは?」
- 「漁を終えた人たちが話しているように見える」
同じ絵でも、一人ひとりの視点で全く異なる風景が広がります。
海にゆかりのある方は「自分の船乗り時代を思い出す」と話され、
また別の方は「ここから何か物語が始まりそうだ」と想像を膨らませていました。
その後で作者の背景をご紹介。
ラウル・デュフィ(1877~1953)は、南フランスの明るい色彩を得意とした画家。
実はこの作品は第二次世界大戦中に描かれたものでした。
厳しい時代にあっても、デュフィは「日常の明るさや喜び」を描き続けたといわれています。
背景を知ると、また違った発見が生まれますね。
2枚目の作品:青のオーケストラ
続いて登場したのは「青のオーケストラ」と呼ばれる作品。
一面に広がる青色のなかで、楽団の人々が生き生きと描かれています。
参加者からは、
- 「楽器の音が聞こえてくるみたい」
- 「青が強すぎるけれど、不思議と嫌な感じがしない」
- 「楽しそうな雰囲気が伝わる」
といった声が次々にあがりました。
音楽の経験がある方は「これは弦楽器、こっちは管楽器」と指差しながら語ってくださり、
またある方は「青に包まれていて、まるで海の底で演奏しているみたい」と独自の感想を話してくださいました。
デュフィは音楽をこよなく愛し、多くの音楽家や舞台をテーマに作品を残しました。
その楽しさが、鮮やかな青の中に込められているのかもしれません。
感じ合う時間の豊かさ
1枚目の港町、2枚目のオーケストラ。
どちらの絵も、参加者それぞれの人生や記憶に結びつき、
「正解がないからこそ面白い」対話の広がりが生まれました。
鑑賞会は、ただ絵を見るだけでなく、
一緒に感じ、語り合うことで心が温まる時間となりました。
次回もまた、別の作品を通して皆さんと「感じるアートの時間」を共有していきたいと思います。