対話型アート鑑賞体験!夏の思い出をたどる二つの名画の旅

対話型アート鑑賞体験!夏の思い出をたどる二つの名画の旅

皆さんこんにちは!
養護白寿荘の伊藤です。


7月30日(水)14:30、私たちは特別なアート鑑賞の時間を過ごしました!
一般社団法人アーツアライブによる「対話型アート鑑賞プログラム」に参加し、二つの名画を通して夏の思い出を語り合う、心温まるひとときです。


講師の方は「絵の見方に答えはありません。皆さんの心で感じたことを、そのままお話しください」と優しく語りかけます。最初は少し緊張気味だった参加者の皆さんも、それぞれの感じたことを言葉にすることで、だんだんと表情が生き生きとしてきました。


喜多川歌麿<蛍狩り>に描かれた江戸の夏


一枚目の作品は、喜多川歌麿の<蛍狩り>。
画面いっぱいに描かれた江戸の人々の様子から、参加者の皆さんからは様々な声が上がりました。
「進んでる感じがする!」という声から始まり、「これは夏だね。うちわを持っているし、蛍狩りじゃないかな」というご意見も。そして、「この子は派手な着物だから、一番若いんじゃない?」という鋭い指摘も飛び出します。


皆さんの視点はどんどん細部に及び、着物の着方や履物から登場人物の年齢や身分を想像したり、柳の木から川の存在を感じ取ったりと、一つの絵の中に広がる物語を一緒に紡いでいきました。
特に印象的だったのは、「この子は虫かごを背負っているように見える」「早く捕まえてって言ってるんじゃないかな」と、絵の中の人物の気持ちを想像する発言。参加者一人ひとりの言葉が、作品に命を吹き込んでいくようでした。



クロード・モネ<散歩、日傘をさす女性>から感じ取る爽やかな風


二枚目は、印象派の巨匠クロード・モネの<散歩、日傘をさす女性>。
この絵からは一転して、清々しい夏の終わりの風が感じられるようでした。
「夏の終わり頃の、爽やかな風を感じる」「風立ちぬを思い出す」という声に、他の参加者も共感します。スカートやベールが風になびいている様子から、五感で作品を感じ取っていることが伝わってきました。
また、鑑賞は個人の思い出を呼び起こすきっかけにもなります。「昔、若かった頃の娘を思い出すわ」と語る方もいらっしゃれば、「白馬の自然を思い出す」と故郷の風景と重ね合わせる方も。


「散歩しているんじゃないかな」「遠くに行かないでって、見守っているお母さんに見える」といった、親子の絆を感じさせる解釈も生まれ、作品への共感がどんどん深まっていきます。
ファシリテーターが「この絵は、モネが最愛の妻と息子を描いた、幸せな時間の絵だそうです」と解説すると、参加者の皆さんはさらに感動した様子でした。


アートは語り合うことで、もっと面白くなる
今回の対話型アート鑑賞プログラムでは、参加者の皆さんの豊かな感性によって、二つの名画がより一層魅力的なものへと変化していく様子を目の当たりにしました。
「心が洗われる」「嫌なことを忘れそう」「のんびりとした気持ちになる」といった感想が次々と聞かれ、アートが心の癒しにつながることを改めて実感しました。



対話を通じて、絵の中に隠された物語を発見したり、自分の思い出と結びつけたりすることで、アート鑑賞は受け身の体験ではなく、能動的な創造の体験へと変わります。
次回のプログラムも、皆さんの素晴らしい感性と出会えることを楽しみにしています。
対話型アート鑑賞に興味を持たれた方は、ぜひ「アーツアライブ」で検索してみてくださいね!

この記事を書いた人

かいごマガジン編集部

かいごマガジン編集部です。
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