寿で暮す人々あれこれ
89/189

— 87 —寿で暮らす人々あれこれさて、ある時からおばあちゃんは、認知症が進行して老人会食の帰りにちょっと目を放した隙に行方不明となってしまった。夕方、山手の丘を歩いているところを保護された。以来、おじいちゃんは手をつないで歩くようになった。その後も時々行方がわからなくなる。遠くで見つかったのは、相模原の鶴間というところ。巡査の方が様子を心配して声をかけてくれて分かったのであった。老人ホームの入居を相談された。幸いご夫婦で箱根のホームに入居することになった。温泉付きである。入居のときは車でホームまで送って行った。お二人は落ち着けたかしらん。老人クラブの人たち (その7) ─ 亀さんのことアル中さん。いつも飲んでいて口からよだれを流し、作業ズボンがずり落ちているのを手で押さえて口をゆがめながら僕に抗議やら文句を言う。老人会食をすませて…いつも寄り添って

元のページ  ../index.html#89

このブックを見る