寿で暮す人々あれこれ
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— 184 —感 謝平成21年1月に、私は人生のセカンドステージともいうべき、神奈川県匡済会に入社させていただきました。以前勤務していた会社の仕事上でお付き合いのあった、神奈川県匡済会前理事長原範行様からお誘いを受け、「福祉」に取り組ませていただくことになりました。入社して数か月後、寿福祉センター保育所の「クラスだより」を読む機会があり、ここで初めて村田さんの「寿で暮らす人々あれこれ」を目にすることとなりました。そこには、活き活きとして生活している寿の街の人々の様子が、目に・耳に響いてくるような実感がありました。村田さんが昭和43年から、神奈川県匡済会の職員の立場でありながら、寿でくらす人々に寄り添い、その人たちの中に入って、一緒に時間を過ごしていく、そんな姿が思い浮かびました。神奈川県匡済会は、その創設から「生活困窮者の支援」に基軸を置いて事業を進め、100年の歴史をつないできました。村田さんは、この寿の街で、神奈川県匡済会の経営理念の実践を50年を超えて進めてこられました。この「寿で暮らす人々あれこれ」のエッセイは、私にとってまさに、神奈川県匡済会の活動を実感できる「生きた教科書」でした。神奈川県匡済会のホームページをリニュアルするにあたって、この「寿で暮らす人々あれこれ」のコーナーを作成し、匡済会の職員はじめ、多くの方に触れてもらえる形にしました。そして、神奈川県匡済会が100周年を迎えるにあたって、きちんとした形で残したいと考え、村田さんにご無理をお願いし、今までのすべてのエッセイを推敲し、編集しなおし、当時の写真を配し、「神奈川県匡済会 村田由夫 寿で暮らす人々あれこれ」として、一冊の本にすることとなりました。この「寿でくらす人々あれこれ」が、「神奈川県匡済会100年史」ともども神奈川県匡済会が、またそこで働く職員が、「生活困窮者の支援」に向かって、行動してきた事実の「一片」を発信し続けてくれることと信じています。

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