寿で暮す人々あれこれ
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— 176 —深い共感と理解を持っていた横浜教区の信徒である髙木氏に呼びかけ、任意団体『横浜マックケアセンター』を設立して、理事会を組織しました。理事会は運営に責任を持ち、後援会は、アルコール依存症者の回復を支援する市民的な活動を担いました。横浜マック理事会は、横浜市に対し「精神障害者地域作業所」としての補助金申請を続け、平成2年に助成の決定を受け、横浜マックの公的な認知と運営安定の目途がたつことになりました。このことは、全国のMAC関係の施設の運営に大きな影響を与えることになりました。ミニーさんが所属するカトリック教区の理解と献金活動に依拠していた運営から、公的な助成による運営へと道が開かれました。AAと三ノ輪マックのプログラムが寿地区に届けられてから12年目のことでした。平成26年5月のある日、横浜マックの30周年記念セミナーが開かれました。昭和50年、AAを日本にもたらしたミニーさんが、アルコール依存症の治療をアメリカでうけ回復3年目に日本に戻って、初めて仲間とAAのミーティングを始めてから39年、ミニーさんの没後8年がたちました。セミナーでは、横浜マックの20周年にスピーチしたミニーさんのテープが流されました。 日本ダルクの近藤さん平成24年10月、東京ダルクの近藤さんが、薬物依存症の講演に寿に来ました。寿地区まちづくりの中期計画をもとに、寿地区自治会が中心となり、寿地区内の諸団体、中区地域振興課と開催している定期会議、通称「寿夢会議」で招請を決めたものです。寿地区では、暴力団による覚せい剤の売買が行われています。暴力団の取り締まりや、薬物常習者(司法用語)の逮捕という対策でなく、薬物依存症の理解と薬物依存症者の回復という視点での講演が企画された

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