寿で暮す人々あれこれ
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— 173 —寿で暮らす人々あれこれしいのです。さて、当時の援助職の方々が、マックやAAと出会ってどんなインパクトを感じたのか、横浜マック20周年記念誌「きせき」から抜粋させていただきます。(前略)私たちは、1日中結核とアルコールの合併症の方を受け入れる病院探しに追われ、ようやく見つけた病院へ(東京の清瀬や八王子など)、借り上げたハイヤーで送る。ようやく入院した人が2~3日して体が楽になると飲酒問題を起こし、病院から迎えに来るようにと電話が入る。こんなことを何回も繰り返し、全く私たちの無力さを感じさせられていたころ、三ノ輪マックから、AAメッセージが寿町に届けられ、三ノ輪まで通って回復した人が現れた。このことは本当に、衝撃的な驚きでした。その後、横浜でもミーティングが各所で開かれ、確実に回復していく人、また、何回も挑戦してもスリップする人、一人一人が抱える生の人間性にもろに触れ、その後の私のソーシャルワーカーとしての行き方に大きく影響を与えたように思います。(後略)横浜マックの誕生昭和54年、ドヤから回復しているアルコール依存症者の仲間は横浜グループを発足させたました。福祉、医療、保健に係る援助職や寿に関わるボランティアたちは、アルコール依存症者と関わりながら、

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