— 170 —助職(ソーシャルワーカー等)や家族を対象に、アルコール依存症とその回復、マックのプログラムの理解のために、プロセミナーを毎月1回開催する企画を立ててくれました。そのセミナーの内容は実践的で依存症者本人による12ステップをどのように活用したのかや、マックのプログラムの構成が中心で、時にアルコール依存症関連の資料や専門書の紹介などもありました。このセミナーは、アルコール依存症という病気とその回復についての理解と、相談現場での実践や依存症者の理解に大変役立ちました。そんな経験から、昭和56年から寿福祉センターで毎月1回プロセミナーを開催することになりました。内容は、横浜グループのメンバーからAAの12ステップを語ってもらいました。その他は各ソーシャルワーカーの日頃の相談や意見交換でした。プロセミナーの最初のメンバーは7人ほどでした。依存症の本人と福祉事務所、福祉施設のソーシャルワーカーでした。このセミナーは実践的な内容であるとともに、回復途上のアルコール依存症者の体験を聞くことができる唯一の場所ということもあって、少しずつ参加する関係者が増えていきました。弁護士など司法関係者、県立のアルコール専門病院の医師や弁護士も参加しました。後年、刑務所の保護観察官も参加しました。参加者は、アルコール依存症者の回復について触れ、学び合うことで分野を超えて繋がりを深めていきました。2次会などもよく持たれて夜遅くまで歓談しました。参加者有志でプロセミ通信も発行するようになりました。個人的な関係も深くなっていきました。このことは、参加者が職場を異動しても、その地で依存症者支援に取り組み、回復の機会を広げていくことになりました。このプロセミナーは8年ほど続きました。後半には、参加者が30人を超える状況になってきました。そのため、講義的的になりがちで、分かち合いが難しくなりました。マックやAAの理解も進んできたことなどから、平成2年、プロセミナーの役割を終えることになりました。プロセミナーでかかわりを深めた関係者の有志は、やがてプロセミナーとは別に、日常的な相談活動を超えた「社会的なアルコール依存症を理解するキャンペーン」へと活動を広げていきました。それは、市民レ
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